2019年5月9日、中国メディアの観察者網によると、トランプ米大統領の経済顧問だったスティーブン・ムーア氏が、米国内で開かれたフォーラムで「米国籍の華人は中国人よりも頭がいい」と発言した。

記事によると、ムーア氏は8日にラスベガスで行われた世界思考リーダーフォーラム（SALT）で米中競争や各民族系米国人の問題について発表した際、「米国は競争の中で他国を打ち負かすだろう。なぜなら、われわれ（米国籍）の華人は中国人よりも頭がいいからだ」と発言。この発言に現場が静まり返ると、気まずそうに「冗談だよ」と付け足したという。

ムーア氏について記事は「トランプ氏が忠実に支持する人物であり、大統領選の時から経済顧問を担当した。今年3月には米連邦準備理事会（FRB）理事にノミネートされたが、脱税疑惑や女性および黒人差別のスキャンダルが持ち上がり、辞退を決意したことがトランプ氏によって2日に伝えられた」と紹介した。

その上で、今回のムーア氏の発言に対して米国のネットユーザーから多くの批判が寄せられたほか、「自分の発言をわざわざ『冗談だ』と釈明する必要がある場合、それはもはや冗談では済まされないということだ」との指摘も見られたと伝えた。

同フォーラムは7～10日にラスベガスで開かれ、世界から約2000人の投資家、政策専門家、政治家、ビジネスリーダーが出席し、意見交換や交流を行った。米国からはクリントン、ジョージ・W・ブッシュ氏などの大統領経験者やバイデン前副大統領らも出席しているとのことだ。（翻訳・編集/川尻）