Record China 2019年5月13日(月) 17時0分
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世界各地で「フリーハグ」を通して平和を訴える活動を行っている桑原功一さんが今年1月、中国南京市でのフリーハグに挑んだ。
世界各地で「フリーハグ」を通して平和を訴える活動を行っている桑原功一さんが今年1月、中国南京市でのフリーハグに挑んだ。その様子が4月末に動画共有サイト・YouTubeにアップされ、大きな反響を呼んでいる。
動画の前半、中国の街中で行われた反日デモの様子が紹介され、群集が「日本製品ボイコット!」を叫ぶ中、「日本人だとバレたら殺される」とつぶやく桑原さんの姿が映し出される。西安交通大学に留学していた2010年10月に反日デモに遭遇した桑原さんは、「その頃から、どうしたら日本と中国は仲良くなれるのだろうかと考えるようになりました」と語る。
その後、「フリーハグ」を始めた桑原さんは、13年に北京、15年に上海で活動を行い、今回は南京。日中両国の人にとって敏感な場所であり、桑原さん自身も「日本人が世界で一番フリーハグをしにくいであろう場所」と評した。
桑原さんは大阪からフェリーで上海に向かい、そこから高速鉄道で南京へ。日本で知り合った南京出身の陳さんと蔡さんの協力を受けながら、市内の繁華街・新街口でフリーハグを始めた。初めはけげんな顔で見る人や、顔を背ける人、物珍しそうに見る人が多かったが、次第に一人また一人とハグをしてくれる人が現れた。
撮影中にはハプニングもあった。雨が降り出したため、場所を地下街に移して活動を続けていると、突然、数人の警官がやって来て桑原さんを取り囲んだ。警官は撮影していた陳さんらに「何をしている」「日本人か?」などと詰め寄り、映像が途切れる。桑原さんたちは警察署に連行された。この時の心境について、桑原さんは「内心はとても動揺していましたが、『何も悪いことはしていないはず』と自分に言い聞かせて、平静を装いました」と語った。
その後、陳さんが警察署でフリーハグの活動の趣旨などを説明。桑原さん本人は当初、「警官が何を話しているのか全く理解できませんでした。中国の警察についてあまりいいうわさを聞いたことがなかったので、かなり心配していました」というが、陳さんの話を聞いた警官は、「平和を訴えることが目的なら、ハトの絵を描いたほうが分かりやすいよ。その方がお年寄りにも分かるから」とアドバイスしてくれたり、活動場所が人通りが多かったことから安全面の心配をしてくれたりしたそうだ。また、桑原さんに英語で「Good」、中国語で「すごいね」などの言葉をかけてくれたといい、桑原さんは「安堵感のせいか緊張の糸が途切れ、全身の力が一気に抜けてしまいました」と振り返った。
無事釈放された桑原さんは、その後も、何人もの人々とフリーハグをした。「たった一人でもハグできたら、この企画は成功だと思っていた」というが、結果的には50人ほどとハグすることができたという。
桑原さんは南京でのフリーハグについて、「難しいと思っていましたが、路上に立ってみると、案外普通にハグしてもらえて予想外の展開に驚きました。あっさりしていて、少し拍子抜けしました。変なことが起きるかもと予想をして、身構えていた自分を少し恥ずかしく思いました」と語った。
また、「メディアの報道には、わざと色が付けられ、見えないことがたくさんあります。特に中国に関しては悪く報じることが多く、そのイメージをなかなか取り除くことはできません」とし、「僕たちは結局、同じ人間で、良い人もいれば悪い人もいる。どこの国にも、どの場所にも、平和を求める人は必ずいるんだなと確信しました。この動画で少しでも中国に対する偏見を取り除き、『ちょっと中国の見方が変わったな』と思ってもらえれば幸いです」と語った。(取材/北田)
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