<鳥インフル>「人から人への感染は未確認」、ワクチン製造は6〜8カ月必要―中国当局・WHO

Record China    2013年4月10日(水) 15時51分

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9日、人民日報の報道によると、中国衛生・計画生育委員会と世界保健機関(WHO)は今月8日、H7N9型鳥インフルエンザ人感染予防対策に関する記者会見を共同で開催した。写真は9日安徽省亳州市の鳥類販売市場を消毒する男性。

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2013年4月9日、人民日報の報道によると、中国衛生・計画生育委員会と世界保健機関(WHO)は今月8日、H7N9型鳥インフルエンザ人感染予防対策に関する記者会見を共同で開催した。WHO駐中国事務所の藍睿明(ラン・ルイミン)代表は、「H7N9型鳥インフルエンザウイルスの人への感染がこのほど初めて中国で確認された。感染源と感染経路はまだ特定できないが、現時点で人から人への感染を裏づける根拠はない」と語った。

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■有効な予防・コントロール策の決め手なし、連携強化が急務

衛生・計画生育委員会H7N9型鳥インフルエンザ人感染予防対策チーム弁公室の梁万年(リョン・ワンニエン)主任は、「上海、江蘇、安徽、浙江の4省・市で、H7N9型鳥インフルエンザ感染者が報告された」と発表した。専門家によるこれまでの調査・解析から、今回人への感染が確認されたH7N9型鳥インフルエンザウイルスは、複数の鳥インフルエンザウイルスが混ざり合って誕生した新しい鳥インフルエンザウイルスであることが判明した。今のところ、感染は散発的に発生しており、人から人への感染を裏づける根拠は見つかっていない。このウイルスの病理学的特徴や伝染の特徴について、まだよく分かっていないことから、感染拡大の予防・コントロールに関する有効で決定的な方法を打ち立てることは、現時点では不可能だ。

梁主任は、今後の予防・コントロール策の重点項目として以下の5点を挙げた。(1)共同予防・コントロール体制を確立し、専門家チームを組織し、それらの役割を存分に発揮させる。万全の協力体制を敷き、各種予防・コントロール措置の実施を徹底する。(2)引き続き感染状況の分析・研究・判定作業を強化し、予防・コントロール策と具体的措置を科学的に設定する。(3)緊急対応措置に引き続き重点を置き、死者の発生を最小限に抑え、経費的な問題で緊急対応措置を講じることができなかったという現象が起こることのないよう徹底する。(4)引き続き感染拡大状況に対する監視測定を強化する。(5)感染拡大情報の発表については、公開性・透明性の高い情報公開を継続する。また、WHOなどの国際組織や関連国家・地域との技術交流協力をいっそう強化するなど。

ワクチン製造に着手

梁主任は、H7N9型鳥インフルエンザウイルスのワクチンに関して、「H7N9型鳥インフルエンザウイルスの8つの遺伝子は全て、人に感染するインフルエンザウイルスの遺伝子の仲間であることから、人に感染しやすいウイルスといえる。専門家によると、現時点で、H7N9型鳥インフルエンザが人から人に感染した証拠は見つかっていないという。治療面では、リン酸オセルタミビル(商品名:タミフル)などの抗ウイルス薬が有効と見られる」と話した。

また、「病原体の発見からワクチンを製造するまでには、早くても6カ月から8カ月の期間が必要だ。ワクチンの調合作業が今始まったばかりだが、そのプロセスは複雑を極める。まず、ワクチン株を選別するが、一部の株は毒性がかなり強いため、一定の処理手順を踏まなければならない」と説明している。

さらに、「スタートしたばかりのワクチン研究は基盤研究だが、ウイルスが突然変異し、人から人への感染が生じ、特に成人の間で感染が拡大するような事態になれば、ワクチンをすぐにでも製造しなければならない。しかし、患者の発生が極めて限定的ならば、ワクチン接種の必要はない。コスト効率と感染予防効果から見て、散発性の感染に対しては、拡大予防措置としてワクチン接種を実施するには及ばない。当然ワクチン接種は有効な方法だが、それが唯一の手段という訳ではない」と指摘した。

■WHO「渡航・貿易制限措置は実施せず」

WHO駐中国事務所の藍睿明代表は、「華東地域で数多くの豚が死亡した現象が、鳥インフルエンザウイルスの人への感染と関係があるのではないかと推測する人がいる。しかし、黄浦江に多数の豚の死骸が漂流したことには、複数の原因が考えられる。我々は、豚の死骸と鳥インフルエンザの人への感染との間に関係があるとは考えてはいない」と話した。

また、「これらの豚の死骸を検査したところ、鳥インフルエンザウイルスは検出されなかった。豚からは、インフルエンザの症状は見つからなかった。患者の一部は、動物と接触した、あるいは動物がいる環境にいたことが分かっている。上海の市場では鳩からウイルスが検出された事実は、動物から人に感染した可能性を示しており、調査が進められている。複数の家族が同じような病状を呈したことから、人から人への感染も疑われたが、この家族2人からは、鳥インフルエンザウイルスは検出されず、人から人への感染を裏づける根拠はまだ見つかっていない」と述べた。

このほか、「WHOと中国関連部門は緊密に連絡を取り続け、対応策を協議している。WHOは、今回の事件に絡み、国境での特別検査を実施する予定はなく、渡航や貿易に関していかなる制限措置を講じることも提案しない」と語った。(提供/人民網日本語版・翻訳/KM・編集/内山

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