「間違っても責任ない式の北朝鮮報道やめよ」、幹部「粛清説」めぐり左派系紙が保守系紙批判―韓国

Record China    2019年6月8日(土) 10時40分

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韓国・朝鮮日報が特ダネとして「粛清された」と報じた北朝鮮の金英哲・朝鮮労働党副委員長の健在が確認された。左派系のハンギョレ新聞は「間違っても責任はない式の北朝鮮報道はやめよ」と保守系の朝鮮日報を批判した。

韓国・朝鮮日報が2回目の米朝首脳会談が物別れに終わった責任を問われ、「粛清された」と報じた北朝鮮の金英哲・朝鮮労働党中央委員会副委員長の健在が確認された。左派系のハンギョレ新聞は社説で「間違っても責任はない式の北朝鮮報道はやめよ」と保守系の朝鮮日報を厳しく批判した。

朝鮮日報は5月31日、特ダネとして米朝首脳会談で実務交渉を担当した北朝鮮の金革哲・国務委員会米国担当特別代表らが決裂の責任を問われ、処刑されたと報道。対米協議を統括していた金英哲氏は「強制労役と思想教育」を受けており、金正恩党委員長の妹の金与正・党中央委員会第1副部長も「謹慎中」と伝えた。

北朝鮮の朝鮮中央通信によると、金正恩党委員長は2日、コンクールで入賞した軍人家族の芸術サークルの公演に李雪主夫人と共に出席した。同通信は同席した「党中央委員会幹部ら」の一人として、金英哲氏の名前を挙げた。公演には金与正氏も姿を見せた。

金英哲氏らの登場について、ハンギョレ新聞の社説は「朝鮮日報の報道ははっきりと誤報となったのだ。いつまでこのような無責任な報道が続けられるのか問わざるをえない」と非難。「朝鮮日報が根拠に提示したのは匿名の『対北朝鮮消息筋』がすべてだった。金英哲氏の健在が確認された以上、金革哲特別代表の処刑説も事実ではない可能性が高い。金英哲氏が何の異常もないのに、その部下の実務責任者を処刑するというのはつじつまが合わない」と指摘した。

さらにハンギョレ新聞は「朝鮮日報は過去にも何度も北朝鮮関連の誤報をしたことがある。2013年には三池淵管弦楽団の玄松月団長が『わいせつ物作成』疑惑で逮捕されて銃殺されたと報道したが、その後、誤報と分かった」と言及。「根拠ない北朝鮮関連の報道は、事実の有無を直ちに確認できず、誤報と確認されても責任を問わないという点のために絶えず出てくる。北朝鮮についての否定的報道に飛びつく国内の保守層に好まれるという点も誤報の量産をあおっている」と決め付けた。

その上で「無責任な誤報は『北朝鮮は信じられない国』という先入観を強化することによって対北朝鮮交渉を難しくさせる結果を生む。保守系マスコミの『間違っていようと責任はない』式の報道が、このような政治的策略の上にあるではないのかと疑いを持つ」と論難。「保守マスコミは今からでも『とりあえず出してみる』といった誤った報道の慣行と決別すべきだ」と主張した。

これに対し、朝鮮日報は「再登場は国際社会の視線を意識した措置」との専門家の見方を紹介。「公開された金英哲氏の顔は2、3カ月前に比べて明らかにやせ衰えている」と特ダネに未練をのぞかせた。(編集/日向)

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