Record China 2019年6月17日(月) 6時10分
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中国では大豆の増産に力が入れられている。農民に歓迎されるビジネスモデルや、連作障害を回避する効果を期待できる「補助金」などの方法がとられているという。写真は山東省内での大豆収穫の様子。2018年10月に撮影。
中国中央電視台(中国中央テレビ)は2019年6月15日付で、中国では大豆の増産に力が入れられていると紹介した。米国との「経済貿易戦争」より米国からの大豆輸入を避ける政策により、大豆栽培農家などは恩恵を受けているようだ。
中国は1960年代までは多くの大豆を輸出していた。しかし、70年代には大豆輸出が激減。さらに、95年ごろからは大豆輸入が急増した。養豚の飼料用の需要増が大きく関係したとされる。2017年には中国の大豆輸入量は歴代最高の9554万トンに達した。最も多かったのがブラジルからの5092万トン(45%)、次いで米国の3285万トン(29%)だった。
しかし、米国との経済摩擦が表面化した18年には、米国からの輸入が前年比49.4%減の1664万トン、ブラジルからは同21.8%増の6608万トンで、輸入量全体では同7.9%減の8803万トンだった。
中国中央電視台は、中国政府・農業農村部は19年初頭に発表した「大豆振興計画実施方案」で、20年までに東北地方、黄淮海平原(華北地方)、中国南西部を中心に、大豆作付面積を約933万ヘクタールに拡大する方針を示したと指摘。
また、大豆買取企業が生産農家に負担がかからない方式を採用し始めていると紹介した。例えば、単価の高い黒大豆については、一種の契約栽培が実施されているという。作付に使う種子は企業側が農家に配布。そのため、農家は種子購入のための費用を用意しなくてもよい。また、収穫後には契約書で定められた価格で企業側が買い取る。
記事によると、中国は大豆の単位面積当たりの収穫量の増大にも力を入れている。中国の大豆生産量は現在のところ1ヘクタール当たり1.8トンだが、国によっては1ヘクタール当たり3トンの収穫を実現させているという。「大豆振興計画実施方案」は、20年時点で全国平均の1ヘクタール当たりの大豆収穫量を2.025トンに引き上げることを目指している。
記事はさらに、大豆(大豆かす)の主要な用途である養豚でも、改良が加えられていると紹介。例えば、飼料に、アミノ酸の一種であるN-カルバモイル-L-グルタミン酸(NCG)という物質を加える方法だ。豚だけでなく牛や鶏に与えても、飼料中のたんぱく質吸収率が向上する効果がある。
中国ではこれまで、豚の飼料中のたんぱく質含有量は16%が必要とされてきた。しかし、NCGを資料に加えれば、タンパク質含有量は14%で足りるという。つまり、飼料中のたんぱく質含有量を増やすために用いる大豆かすを節約することができるという。記事は、中国全国では大豆換算で1370万トンが節約できる計算になると紹介した。NCGはさらに、飼育している家畜の腸内環境を改善する効果もあり、より健康的な食肉を提供する効果もあるという。
記事によると、黒龍江省では、地元政府が大豆に転作した農家に補助金を支給している。一方で、大豆には連作障害が発生しやすいという問題がある。黒龍江省の場合、例えばトウモロコシを栽培していた農家が2年目には大豆に転作すれば、補助金を受け取れる。3年目にはトウモロコシ栽培に戻し、4年目には再び大豆に転作すれば、再び補助金を受け取ることができる。記事は、連作障害を回避する格好の方法と高く評価した。(翻訳・編集/如月隼人)
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