Record China 2019年6月19日(水) 16時10分
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中国の習近平国家主席が20~21日、国賓として北朝鮮を訪れる。韓国紙は「朝鮮半島の平和プロセスの時計が再び回り始めた」などと期待を寄せた。写真は平壌。
中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席が20~21日、国賓として北朝鮮を訪れる。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は過去に4回訪中しているが、習主席の訪朝は就任後初。韓国紙は「朝鮮半島の平和プロセスの時計が再び回り始めた」などと期待を寄せた。
中国共産党中央対外連絡部は17日、「金正恩朝鮮労働党委員長、国務委員長の招きに応じ、習近平中共中央総書記(国家主席)が20~21日の日程で北朝鮮を訪問する」と発表。今年が中朝国交樹立70周年に当たることを挙げ、「今回の訪朝は両国関係にとって将来の道を開く重要な意義を持つ」と説明した。
中央日報は18日掲載した「習氏の訪朝を核交渉回復の契機に」とする社説で、「立ち止まっていた朝鮮半島の平和プロセスの時計が再び回り始めた」と指摘。「訪朝は十分に予想されていたこと」とする一方で、「14年ぶりとなる中国の最高指導者の訪朝が持つ意味は大きい」と評価した。同紙は「南北対話と米朝接触のいずれもがこう着状態に陥る中で、習氏の訪朝が流れを変える決定的な契機になる可能性があるという事実」を特に注目すべき点に挙げ、中国以上に金正恩政権に影響を与えられる国はないとした上で、「韓国政府は全てのチャンネルを総動員して北核問題の解決に向けた習近平政府の支援を引き出してほしい」と訴えた。
同紙はまた、国際社会が納得できるような非核化措置を北朝鮮が先制的に実行するよう中国政府を説得する必要があるとの見方も示している。
ハンギョレ新聞は19日掲載の「朝鮮半島の平和プロセスが『4者構図』になる」とする記事で、「南北と米国の3者が主導してきた朝鮮半島の平和プロセスが、中国を交えた4者構図に再編される」と説明。中国の役割が大きくなることにより状況が複雑化する恐れがあるとするも、「これは平和プロセスの後退というよりは進展・深化の方向。肯定的な変化と見ることができる」と評した。
同紙は多くの専門家やメディアが「北朝鮮の非核化」のみに関心を注いでいることに「平和プロセスはそれより複雑で根深く、構造的な対立を解消しなければならない」と注意を促し、「朝鮮半島の冷戦構造」は「南北の不信と対決の関係」「朝米の敵対関係」「大量破壊兵器をはじめとする軍備競争」「軍事停戦体制」という柱に支えられる「複合な構造物」と指摘。この「4本柱」を完全に解体するために中国の参加は選択ではなく必須なのだと断じた。
また、東亜日報は習氏訪朝が発表される前に掲載した記事で、「一昨年の米中貿易対立の時のように、中国は今回も反転カードとして北朝鮮核問題を持ち出すとの観測が流れている」と説明。最近の北朝鮮を「韓米の相次ぐ対話再開要請を一貫して黙殺している」と指摘し、これまで北朝鮮寄りの態度を示してきた韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領のもどかしさと失望感にも言及した。同紙は「このような時期の習氏訪朝は北朝鮮が対話再開に出る契機になる可能性もある」との見解を示し、「中国の対北外交は正恩氏に非核化決断を迫り支援することでなければならない。中国が出て国際社会の対北制裁戦線を壊すなら、後戻りできない結果を生むだけだ」とけん制した。(編集/野谷)
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