Record China 2013年5月17日(金) 7時20分
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15日、円相場の調整は、日本のグローバル企業に一休みの時間を与え、経営状況にも大きな好転が生じた。しかしこれが投資ブームをもたらし、日本経済を成長軌道にのせ、国民生活を好転させることができるかどうかは疑問だ。資料写真。
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2013年5月15日、円相場の調整は、日本のグローバル企業に一休みの時間を与え、経営状況にも大きな好転が生じた。しかしこれが投資ブームをもたらし、日本経済を成長軌道にのせ、国民生活を好転させることができるかどうかは疑問だ。中国経済週刊が伝えた。
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安倍晋三首相が2012年12月26日に就任してから5月7日までに、米ドルの対円相場は1ドル=85円から99円に上昇した。2012年9月の1ドル=77円から計算するならば、円相場はすでに29%下落していることになる。
日本人消費者から一時心配されていたシャープは、円安により突如として力を取り戻した。シャープが2013年3月に5000億円の赤字を計上したとの公表を受け、市場ではシャープの破産が予想されていた。しかしシャープが2014年3月に黒字転換するという見通しが、新聞で報じられた。シャープのような規模を持つ企業が、5000億円という赤字を1年間で黒字転換するのだから、相当な底力を持っていると言える。
トヨタは「鬼に金棒」と呼べる状況だ。円相場が1円下落するたびに、トヨタは350億円の収入を得ることになる。トヨタは円安だけでも、5000〜8000億円の予想外の収入を得られる。企業は当然ながら、円安を歓迎している。
米国人学者のリチャード・カーツ氏は、「トヨタが米国に輸出する自動車が、2012年9月時点に2万4000ドル(約240万円)で販売されていたならば、現在の価格は1万9000ドル(約190万円)に下がっており、トヨタの手にする利益も18万7000円増加している」と指摘した。
半年余りの期間で、従業員削減や就業時間増加により利益を30%増加できる企業は存在しない。これを実現させるただ1つの要素は、為替相場だ。
東京で多くの企業に取材した際、「投資および生産規模を拡大する予定はないか」と質問した。多くの企業は、「市場にリスクがあり、投資に慎重になる必要がある」と回答した。
円相場の調整は、日本のグローバル企業に一休みの時間を与え、経営状況にも大きな好転が生じた。しかしこれは現時点では、企業が投資と雇用数を拡大する契機とはなっておらず、日本市場からそのような兆しもいまだ見て取れない。アベノミクス(安倍首相が就任後に実施を加速した一連の景気刺激策。機動的な財政政策、大胆な金融政策、民間投資を喚起する成長戦略を3本の矢とする)の中で強調された最も重要な「成長戦略」が今後どのように示されるかについて、日本の多くの学者・政治家は明確に説明していない。
5月は日本近海のスミイカ豊漁シーズンだ。日本最西端の長崎から中部の能登半島、さらには北海道に至るまで、夜の海は閑散としており、水面に映し出された漁火を見ることができない。船が出港から点灯まで必要とする電力は、ディーゼルオイルによって発電される。円安により、円建て計算の原油価格が高騰している。スミイカ漁船は漁を続けられなくなり、市場でも魚介類の価格が上昇している。これは漁師に実益をもたらさず、円安が彼らの生活に暗い影を落としている。
サラリーマンにとっても、理想的な状況とは言えない。燃料、原料、食料、部品の輸入価格高騰により、日本の工業品・消費財の価格に影響が生じている。また、サラリーマンの給与は、物価上昇に伴って増加してはいない。日本の多くの企業は今年夏に支給するボーナスの準備に入っているが、それが物価上昇率を最終的に上回るかについては、現時点では不明だ。
円安後、日本の輸出商品の数に変化が生じている。財務省が発表したデータによると、日本の輸出入額は2012年12月から減少が始まっている。具体的な数値を見ていくと、12月は10.5%減、1月は5.9%減、2月は15.7%減となった。為替相場の変化は日本の輸出額の増加を促しておらず、今後数カ月も調整は難しい。
円安が投資ブームをもたらし、 日本経済を成長軌道にのせることはあるだろうか。円安が国民生活を好転させるだろうか。現在までに得られているデータでは、これを断言することはできない。(提供/人民網日本語版・翻訳/YF・編集/内山)
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