Record China 2019年7月5日(金) 7時40分
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中国のIT関連情報などを発信するメディア・国際電子商情は7日、日本の対韓輸出規制で最大の受益者となる可能性がある日本企業について紹介した。
中国のIT関連情報などを発信するメディア・国際電子商情は7日、「日本の対韓輸出規制で最大の受益者となる可能性があるのは、日本の中小型液晶パネル大手・ジャパンディスプレイ(JDI)だ」と報じた。
1日、日本政府は韓国に対し、フッ化ポリイミド、レジスト(感光材)、フッ化水素の3品目について輸出規制を行うことを発表した。これについて記事は、「この3種の材料は主にディスプレイや半導体チップの製造に用いられており、日本の市場シェアは70~90%にも上る」と紹介。その上で、「日本は今後、2段階に分けて韓国に対する輸出規制を強めていく。第1段階は、4日以降に3品目の輸出手続きをこれまでの『包括許可』から『個別許可』に戻すことで、第2段階は、8月に安全保障上の友好国に対して軍事分野への転用の恐れがある先端材料の輸出時の許可を免除する『ホワイト国』から韓国を除外することだ」と説明した。
記事は、「韓国の半導体メーカー・SKハイニックスの担当者は、同社の半導体材料のストックは3カ月分にも満たず、もし2国間の問題が適切に解決されず、追加購入もできなければ、将来的に生産が中断される可能性があると述べた。このほか、サムスン電子やLGエレクトロニクスといった企業も今回の輸出制限の影響を受けている。業界関係者によると、材料のストックは一般的に1~2カ月分となっており、日本が輸出規制を開始すれば、申請から審査終了までのプロセスに3カ月ほど必要になる。これはつまり、サムスンやLGも生産中断のリスクに面することを意味している」と指摘した。
記事はさらに、「アップル社にOLED(発光材料に有機物質を含む発光ダイオード)ディスプレイを提供するサプライヤーにも変化が起こる可能性がある」と指摘。「サムスンはスマートフォン向けOLEDディスプレイの世界的な主流サプライヤーで、その市場シェアは90%以上である。また、LGのテレビならびに大型OLEDディスプレイの市場シェアは95%以上であり、もしこの2社に生産中断の危機が訪れれば、川下にある末端の工場の出荷量にも相当の影響が出ることは間違いない」と説明した。
その上で、「アップル社は2019年の新型iPhone(アイフォーン)にも引き続きOLEDディスプレイを用いる予定だとされており、サプライヤーに採用されたサムスンは9月のアップル社の発表会までに3000万個、年末までに7000万個の完成したフレキシブルOLEDディスプレイモジュールをアップル社に納入しなければならない。業界関係者によると、4日までにサムスンは多くても1000万個のフレキシブルOLEDディスプレイモジュールを生産したが、日本政府による輸出規制が実施され、サムスンが材料のストックを使い終えてしまえば、新たな材料の供給までOLEDディスプレイは品切れ状態になる。もし、アップル社がこれに応じてディスプレイのサプライヤーを調整するとなれば、JDIが最も有力な候補になるかもしれない」とした。
そして、「JDIはアップル社と長年にわたって協力関係にある。昨年の財務報告でJDIに巨額の赤字があると明らかになり、主要な投資者が相次いで資金援助の枠組みから撤退したときにも、アップル社はJDIに1億ドル(約107億円)を投入し、難関を切り抜けさせた。このほか、今年4月にはJDIが今年後半にもアップル社にApple Watch(アップルウォッチ)用のOLEDディスプレイを提供するとささやかれていた。サムスンとLGの材料不足にあたって、JDIはアップル社が今後迎えるであろう危機を和らげられるかもしれない」と説明した。
一方で、「しかし、JDIがOLEDディスプレイの領域に参入してからの時間は非常に短い。中国のBOE(京東方)や天馬(Tianma)といった企業はすでにOLEDディスプレイを大量に出荷している。韓国企業が危機に陥り、JDIにOLEDディスプレイの出荷の経験がそれほどないという状況で、アップル社がサプライヤー危機を緩和するために中国のOLEDディスプレイサプライヤーを考慮に入れるかどうかは注目に値する」と述べた。
韓国メディアが3日に伝えたところによると、韓国の共に民主党や政府、青瓦台(韓国大統領府)はハイレベル会議を開催し、毎年1兆ウォン(約921億円)を半導体材料や部品、設備の研究に投入する方針を固めた。共に民主党の政策委員会のチョ・ジョンシク委員長は、「韓国政府は日本による輸出規制を借りて、国内の半導体研究の競争力を強化する。すでに関連する準備に着手しており、今月中にも対策を発表する構えだ」と述べたという。(翻訳・編集/岩谷)
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