Record China 2019年7月10日(水) 21時50分
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中国メディア・人民網は4日、国際交流機構(JICA)から青年海外協力隊として中国に派遣された日本人女性が、2年間の任期を振り返ってつづった文章を掲載した。
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人民網は、「長年にわたり、中国ではごく平凡な、愛らしい日本の若者たちが常に活躍してきた。彼らは自分の知識と情熱を中国の土地に捧げてきた。社会に出て間もない人もおり、中国語もほとんど話せないものの、彼らは努力と前向きな姿勢によって、なんとか遠い異国の地でも人としての価値を実現しようとしている。それが、JICAが中国に派遣するボランティアたちだ。彼らは通常、1~2年を中国で過ごす。多くが条件的に厳しい辺境地や内陸地域、さらには貧困地域に派遣され、教育や医療などの仕事に従事しながら現地の人々と一緒に暮らす」と説明。そして、まもなく中国での2年間の任期を終える黒川さくらさんが、黒竜江省ハルビン市と貴州省盤州市でボランティアとして活動してきた経験と感想をつづった文章を掲載した。以下はその概要。
■喜怒哀楽に包まれた2年間
私の任期は間もなく終了します。今、校舎を眺めると頭に浮かんでくるのは教室での生徒たちの笑顔です。早いもので、中国に来て2年がたとうとしています。日本語教育ボランティアとしての私の日々は、いつも生徒たちと一緒でした。生徒たちの表情は毎日コロコロと変わります。新しい言葉に出会ったときの喜びを隠せない顔、友達とけんかをしたのか授業中も膨れっ面の表情、来たる大学受験に向けて一生懸命勉強しているときの面持ち…。喜怒哀楽に満ちた生徒たちのおかげで、私の授業も笑い声で満ちあふれたり、時にはすごくシーンとしてしまったり。こんな風に私も、この2年間を喜怒哀楽に包まれて過ごすことができました。
■ハルビンで見た生徒の英姿
1年目は黒竜江省ハルビン市の朝鮮族第1中学校で、2年目は貴州省に移って盤州市第11中学校でボランティアを行いました。ハルビンの配属先で最も印象に残っているのは、生徒と一緒に中学生全国日本語スピーチ大会に参加したことです。ある日、一緒に乗ったバスの中で、1人の生徒が「先生と一緒にスピーチ大会に出たい!」と言ってくれました。それから、私は同僚の先生と一緒にスピーチの練習に毎日付き合い、その生徒は順調に地区予選を通過し、北京での決勝戦の切符を勝ち取りました。そこで生徒が見せてくれた堂々とした姿は今でも忘れられません。生徒以上に、私のほうが感極まって泣いてしまいそうでした。
■一番悔しかったこと
その後、私は現在の配属先である盤州市第11中学校にやって来ました。ここで日本語を学ぶ生徒たちもハルビンの生徒たちに負けないほど元気で、瞳はキラキラと輝き、毎日やる気でいっぱいでした。同世代の同僚たちも私を暖かく迎えてくれて、私たちは「日本語大会」や「日本文化祭」など、たくさんのイベントを一緒につくり上げました。でも、ここで一番悔しかったのは全国高校生日本語作文コンクールで自分の生徒に1位を取らせてあげられなかったことです。大学受験を目前に控えた高校3年生が、隙間の時間を利用して作文を書き上げてくれました。彼らにとって、このコンクールは最初で最後の機会でした。盤州市の学校に通う学生の多くは農村部出身で、外の世界をあまり知りません。彼に1等賞を取って北京に行かせてあげたかった。努力した先に何があるのか、それを一緒に見たかった…。この後悔の思いは今でも拭い去ることができません。
■帰国後も日中友好のために
この2年間で、JICAの青年海外協力隊に初めて参加した私がこんなにも多くのことに挑戦できたのは、配属先をはじめ、優しい中国の人々のおかげです。泣きたくなった時、いつも周りの人たちが慰め、支えてくれました。たまらくうれしかった時、いつも同僚たちが一緒に喜んでくれました。そして、私の中国での活動を誰よりも見守ってくれていたのは生徒たちでした。思い返すと、私のボランティア活動には、いつだって中国の皆さんが寄り添ってくれていました。そのおかげで、生徒たちを笑顔にするイベントや授業をやり遂げることができたのです。「感謝」の一言では伝え切れない思いで胸がいっぱいです。皆さん、本当にありがとうございました!私は間もなく中国を離れることになりますが、帰国後も中国で繋がったご縁と培った経験を活かし、日中友好に貢献していきたいです。(翻訳・編集/岩谷)
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