半導体材料の輸出厳格化で激しさ増す日韓対立、「米国は計算ずくの戦略的沈黙」と韓国紙

Record China    2019年7月12日(金) 22時20分

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日韓両国の対立が激しくなる中、仲裁のカギを握る米国は沈黙を守っている。米国の対応について、朝鮮日報は「計算ずくの『戦略的沈黙』ではないか」との分析を伝えた。写真はソウル。

日本が韓国への半導体材料の輸出を厳格化し、両国の対立が激しくなる中、仲裁のカギを握る米国は沈黙を守っている。米国の対応について、朝鮮日報は「日本との事前のコンセンサス、自国の半導体産業への反射利益など計算ずくの『戦略的沈黙』ではないか」との分析を伝えた。

米国の沈黙について、同紙は専門家の「韓国がトップの競争力を持つ半導体やディスプレーの供給が途絶えても、米国の情報技術(IT)産業に及ぶショックは思ったほど大きくないだろうとみている」との見方を紹介。「100%の代替が不可能な製品は最上位クラスに限定されているからだ。スーパーコンピューターやデータセンターに使われる高性能半導体、自動走行車両・スマートフォン用に開発された半導体くらいだ。残りは独自調達したり、中国企業から供給を受けたりできる」と述べた。

続いて「韓国半導体メーカーの不振は、米国企業にとっては福音となり得る」と指摘。「サムスン電子やSKハイニックスは、DRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)市場全体の70.4%、NANDフラッシュメモリー市場の43.7%をつかんでいるが、DRAMは韓国2社の後を米国のマイクロンがぴたりと追っている」と説明した。

さらに「財界でも米国の介入の可能性をめぐっては懐疑的な声が多い」と言及。ある大企業の役員は「米中貿易戦争で米国が『反ファーウェイ』を叫んだとき、日本は政府レベルで直ちに味方したが、韓国は『企業が判断する問題』だと生ぬるい反応を示した。米国が日本と韓国、どちらか一方の側に立つとしたら誰を選ぶかは、韓国人自身がよく分かっているのではないか」と語ったという。

米国が動こうとしない背景を国際通商専門家の崔源穆・梨花女子大教授(法学専門大学院)は「日本が果敢な経済報復に乗り出したのは、ワシントンと事前にコンセンサス、あるいは最小限の黙認があったから」とみる。同教授は「今回の事態は単なる貿易報復ではなく、米日同盟が送る共同の警告だと解釈する必要がある」と韓国政府に注意を喚起した。

聯合ニュースによると、韓国の康京和外相は10日夜、ポンペオ米国務長官と電話で会談し、「日本の貿易制限措置は韓日両国間の友好協力関係と韓米日3カ国協力にも望ましくない」などと懸念を表明した。康外相は対話を通じた外交的な解決に向け努力していくとも強調した。これに対し、ポンペオ長官は理解を示し、米韓、日米韓間の各クラスの外交チャンネルを通じ意思疎通を強化できるよう、引き続き協力することで一致したという。(編集/日向)

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