Record China 2019年7月20日(土) 13時20分
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来年1月に行われる台湾の次期総統選で、再選を目指す民進党の蔡英文総統と最大野党・国民党の韓国瑜・高雄市長が対決する構図が固まった。最大の争点は中国本土との関係だ。写真は韓国瑜高雄市長。
来年1月に行われる次期台湾総統選の最大野党・国民党の公認候補に韓国瑜・高雄市長が内定した。これで再選を目指す民進党の蔡英文総統との対決の構図が固まった。最大の争点は中国と本土との関係で、「一国二制度」の香港で続くデモも選挙戦の行方に大きな影響を与えそうだ。
国民党の党内予備選に立候補していたのは、韓市長や日本のシャープを買収したことでも知られる鴻海(ホンハイ)精密工業の郭台銘・前会長、朱立倫・前新北市長ら計5人。計3回の政見発表会などを経て、8日から14日まで民間機関に委託した電話による世論調査が実施された。韓市長は支持率44.81%で、27.73%だった郭氏らに大勝した。
韓市長は15日の記者会見で、公認候補内定について「一抹の喜びもなく、あるのは比類ないほどに重いプレッシャーだ。これから巨大な挑戦に直面することになるが、この責任を引き受けたい」と語った。敗退した郭氏は韓市長の勝利を祝福するコメントを発表したが、台湾メディアは離党して無所属で立候補する可能性を報じている。
韓氏は昨年11月の高雄市長選で「市民をもっと豊かにする」という訴えと庶民的な独特の語り口で既存政治に飽き足らない有権者の人気を集めた。「韓流」と呼ばれるブームを巻き起こして初当選。翌12月に市長就任後は、主に中国との関係強化による経済振興を試みてきた。
一方、民進党では公認候補に蔡総統が決まるまで紆余(うよ)曲折があった。16年選挙で選ばれた蔡総統の再選出馬は当然視されていたが、昨年11月の統一地方選で民進党が惨敗して党主席を辞任。支持率も30%前後に低迷し、党内から候補辞退を求める声が上がった。
党内の予備選には頼清徳・前行政院長(首相)も立候補。頼氏は各種世論調査で一時優位に立ったが、予備選で蔡氏が最終的に勝利し、6月19日の党中央常務委員会で公認候補に正式指名された。
今後、本格化する選挙戦では中国本土との距離感が大きな争点となる見通し。中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案に反対する香港のデモが台湾市民の「反中国」意識を高めている。国民党は対中融和路線だが、韓氏は中国が目指す台湾への「一国二制度」導入について「絶対に受け入れない」と強調した。
米国のトランプ政権は台湾に武器を売却するなど独立志向の蔡総統に“エール”を送る。これに対し、中国共産党機関紙・人民日報の電子版は「『台湾独立』分裂勢力に深刻な誤ったシグナルを送り、台湾海峡の平和・安定に深刻な損害をもたらす」と警告。さらに「外国の助けを借りて自らの地位を高めようとすれば、台湾当局が自らに悪い結末を招くのは必至」と蔡総統もけん制した。(編集/日向)
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