安倍氏の憲法9条改正が意味するもの―中国メディア

Record China    2013年6月19日(水) 7時40分

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17日、安倍氏の「憲法改正のための憲法改正」、憲法第96条改正の最終的目標が、「戦争放棄」「戦力の不保持」「交戦権の否認」を含む第9条の改正にあること国内外の世論はすでに見抜かれている。資料写真。

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2013年6月17日、6月も半ばを過ぎ、間もなく7月になる。日本の参議院総選挙は目前に迫り、票を勝ち取るために政治屋たちは各々策を講じている。安倍晋三首相は先日、憲法第96条の改正について報道陣に「世論の支持は得られずとも、あきらめる考えは全くない」と述べた。安倍氏の「憲法改正のための憲法改正」、憲法第96条改正の最終的目標が、「戦争放棄」「戦力の不保持」「交戦権の否認」を含む第9条の改正にあることは国内外の世論にすでに見抜かれている。(文:呂耀東(リュー・ヤオドン)・中国社会科学院日本研究所研究員。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)

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第9条の平和主義精神から日本国憲法は「平和憲法」とも称される。安倍氏の憲法改正への断固たる意志と世論調査での反対の主たる争点は、日本が「平和主義」という歴史的「約束」を放棄するのかどうかにある。平和主義を定めた憲法第9条の重要性について、自民党の古賀誠元幹事長は「『平和憲法』の根幹であり、『世界遺産』だ」と強調した。日本国憲法の平和主義理念の歴史的源を強調し、「平和憲法」の根本を守ることを強調する考えだ。「平和憲法」は第2次大戦での日本の無条件降伏の産物であり、アジアおよび世界の反ファシズム同盟の勝利の結果であり、その影響は日本国内を遙かに超えるものだと言える。

日本の「平和憲法」は日本軍国主義を根絶する狙いの下、米国主導で制定されたものだ。この歴史を無視し、平和主義の重要な意義を蔑ろにし、安倍氏の「憲法改正はいわゆる日本の権限内のことであり、憲法改正と周辺国は無関係」とする論調は、自他共に欺くペテンに過ぎない。

日本が戦後軍事化を制限し、平和的発展の道を堅持したのは、まさに「平和」憲法第9条の確立と存在に基づくものと言える。だがアジア及び世界から広範に称賛され、日本国民の賛同を得ている、日本経済の台頭に大きな功績を立てたこの「平和憲法」は、「普通の国」を目指す日本の保守勢力から最大の障害と見なされている。

安倍氏らは自民党の建党精神の1つが「自主憲法の制定」であると強調。「平和憲法」第9条の改正、国防軍の創設、海外での武力使用の許可、集団的自衛権行使への制約の撤廃などを主張するその発言は、すでに日本の現行憲法の平和主義精神を著しく侵害している。

参議院選挙を間近に控え、憲法改正の動きは憲政民主と平和主義に反するのではとの疑問の声に対して、安倍氏は「憲法9条や基本的人権に関する条項を発議要件緩和の対象から除外することも1つの選択肢だ」と言い立てた。だが、これを信じる人はまれだ。憲法第9条改正に関する安倍氏らのこれまでの驚くべき発言を思えば、世界の人々が憲法改正の動機への懸念を解消するのは困難だ。参院選後、安倍氏が憲法改正にブレーキをかけることがあるのだろうか?連立与党を組む公明党は平和主義の手綱を引き締めることができるのだろうか?アジア各国と国際社会は懐疑的だ。

ひとたび安倍氏らが参院選で勝利し、日本国憲法第9条の平和主義原則を変え、「国防軍」を創設し、集団的自衛権行使への制約を撤廃すれば、日本の「平和憲法」はもはや存在せず、平和主義の精神は憲政上の拠り所を失う。この極めて危険な結果は、アジアと世界、そして大部分の日本国民にとって警戒すべきものだ。(提供/人民網日本語版・翻訳/NA・編集/武藤)

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