日本の「国家戦略特区」は有名無実―中国メディア

Record China    2013年6月19日(水) 11時40分

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18日、日本政府は経済振興の総合政策において、東京や大阪など中心都市に「国家戦略特区」を設置し、特殊な政策を実行する構想を近頃打ち出した。写真は広東省深セン市の経済特区。

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2013年6月18日、日本政府は経済振興の総合政策において、東京や大阪など中心都市に「国家戦略特区」を設置し、特殊な政策を実行する構想を近頃打ち出した。現在、政府主宰の「特区諮問会議」が具体的な詰めを行なっており、速やかに内閣の同意を得て実行に移される見込みだ。経済日報が伝えた。

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10年前に当時の小泉内閣が、経済振興と内需刺激のため「特区」を導入する構想を打ち出し、後に「構造改革特区法案」も公布した。そもそも日本が「特区」設置を望んだのは、戦後一貫して推し進めてきた政府主導の経済発展戦略による様々な規制の存在が民間企業の競争を妨げてきたためだ。だが規制撤廃は既得権益手段の力強い抵抗に遭った。このため日本政府は一部地区を選んで試験的に規制緩和政策を行なうことで、競争奨励の目的達成を図るほかなかった。

だが日本式「特区」は最初から前提条件に不備があった。「特区」は政府が決定するのではなく、特殊な政策の実施区域を区分けするのでもなく、地方自治体が特定の事業に対する優遇措置の実施を政府の主管部門に申請する。そして政府の主管部門は既得権益集団を損なわないよう極めて慎重に審査をする。このため実施を許可された「特区」の政策は骨抜きとなった。日本は当初、全国に100の「特区」設置を構想したが、各種勢力の妨害によって大幅に数を減らし、特殊政策もしっかりと実現できなくなった。その結果、日本の「特区」はこの10年間、経済成長と構造改革の「牽引車」「エンジン」としての効果を全く果たさず、有名無実のスローガンへと変わった。

安倍内閣が今回打ち出した「国家戦略特区」は名前が立派な上、政府が直接主管するとのことだが、その発想は小泉内閣の政策特徴を継承しているらしく、表面上は大々的だが、実際の効果は限定的だ。日本メディアによると、現在検討中の「国家戦略特区」政策は建物の容積率規制の緩和、外国人医師による医療行為の解禁、医薬品のインターネット販売の解禁、インフラ整備への民間企業の参与規制の緩和等々だ。日本政府筋によると「国家戦略特区」は外国からの投資を呼び込み、東京や大阪を世界で最も投資に適した場所にすることが目的だ。この構想に沿って、東京や大阪の中央ビジネスエリアは自らの特色を政府にPRし始めた。日本式温泉旅館、レストランの営業時間の延長、各種娯楽施設などで、政府による「特区」設置を望んでいる。

日本政府の「国家戦略特区」構想は発表されるや、専門家からの批判が相次いだ。「外資誘致の鍵は、多くのビジネスチャンスの存在と税制面の優遇措置にある」と彼らは指摘する。世界銀行が170カ国を対象に行なった投資環境調査では、日本は「電力供給」で27位、「事業立ち上げの利便性」で114位、「税制」で127位となった。また、非関税障壁や排他的措置など外国資本の参入にマイナスの各項目においても、いずれも上位に名を連ねた。日本メディアは日本政府の「特区」政策は余りにも形骸的で、「温泉旅館」や「娯楽施設」では外資を呼び込めないと皮肉る。日本の経済専門家は「各国の外資誘致政策を謙虚に研究し、税制、労務、技術、都市、許認可手続きなどの面で魅力的な政策を打ち出してこそ、『国家戦略特区』は真に効果を発揮する」と政府に呼びかけている。(提供/人民網日本語版・翻訳/NA・編集/武藤)

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