<中国気になる話>短期金利の異常急騰、それでも中国当局が動かない理由とは

Record China    2013年6月23日(日) 17時51分

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21日、ニュースサイト「KINBRICKS NOW」は、中国の短期金利急騰問題を取り上げた。SHIBORの翌日物金利が過去最高の13%台を記録する異常事態が話題となっている。写真は北京市の中国人民銀行。

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2013年6月21日、ニュースサイト「KINBRICKS NOW」は、中国の銀行間金利の急騰問題を取り上げた。

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20日、SHIBOR(上海銀行間出し手金利)の急騰が中国メディアを騒がせた。翌日物の金利は過去最高の13%台をマークする異常事態に、某銀行がデフォルトした、著名ファンドが破綻したなどのうわさが飛び交った。翌21日には8%台に下がったものの、5月末からの高水準が続いている。

SHIBORの金利上昇の要因はなにか、異常な高騰を見せた20日には何があったのか。香港経由の輸出額水増しを取り締まったためホットマネー流入が止まった、米国の金融緩和が終わりに近づきホットマネーが中国から米国に逆流し始めたなどなどさまざまな憶測が飛び交っている。

一つ確かなのは中国の中央銀行が流動性の逼迫(ひっぱく)、SHIBORの上昇に対して、対処する姿勢を見せない冷淡な対応を貫いているという点だ。中国経済メディアは中央銀行の意図を探る記事を掲載しているが、複数のメディアが支持している有力な説は李克強(リー・カーチアン)首相率いる中国国務院が過剰融資を制限するべく、銀行が自力で流動性を確保するよう圧力をかけているというものだ。

ここ10年余り、中国経済は投資主導で飛躍的な成長を遂げてきたが、その副作用も少なくない。大量のマネーが不動産業界を肥大化させ、また過剰な設備投資による生産能力過剰を生み出してしまった。そのゆがみを正すために、中国政府が荒療治にでたという筋書きとなる。

もっとも融資を絞れば中国経済の成長ペースが鈍化するのは必須だ。金融大手HSBCは2013年、2014年の成長予想を7.4%に引き下げた。これは政府目標の7.5%を下回る水準で、実現した場合には李克強首相の責任が問われかねない事態となる。アベノミクスでの経済再生を狙う日本にとっても、中国の景気後退はバッドニュースだ。(筆者:高口康太)

■中国在住経験を持つ翻訳者・高口康太氏は、ニュースサイト「KINBRICKS NOW」を運営。ネットの流行から社会事情、事件、スポーツ、芸能など中国関連のトピックを幅広く紹介している。

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