従業員による社長の軟禁、中国では日常茶飯事=米国人社長が6日ぶりに解放―米紙

Record China    2013年6月28日(金) 0時2分

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27日、中国北京市の米国系製薬企業の工場で軟禁されていた米国人社長が6日ぶりに解放されたが、25日付の米紙「ワシントン・ポスト」は、「社長の軟禁は中国では珍しいことではない」とのタイトルで同事件を伝えた。写真は工場の求人広告を見る労働者たち。

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2013年6月27日、中国北京市の米国系製薬企業の工場で、従業員の解雇などをめぐり、軟禁されていた米国人社長のチップ・スターンズ氏が6日ぶりに解放されたが、環球時報(電子版)によると、25日付の米紙「ワシントン・ポスト」は、「社長の軟禁は中国では珍しいことではない」とのタイトルで同事件を伝えた。社長のスターンズ氏は「10年間この地で仕事をし、多くの雇用を創出してきた。このようなことが起ころうとは思ってもいなかった」と悪夢のような出来事を振り返った。

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実際のところ、このような事件は中国では日常茶飯事である。他に訴える手段がなく、会社幹部のいる時を狙って、従業員がもめ事を起こすこともしばしばだ。2013年1月に、日系の電子部品メーカーの上海市の工場で、日本人10名を含む18名の経営幹部が軟禁された事件は記憶に新しい。業界関係者は「同様の事件はかなり以前から起きている。負債を抱えたまま、経営者が夜逃げ同然で工場を捨てて逃げる事件が起きており、従業員たちは同じ目に遭いたくないのだ。また、法に頼るよりも、このやり方の方が効果的であることを彼らは知っている。中国政府は社会の安定を最も重視しており、それが脅かされることを望んでいない。従業員が事件を起こせば、政府は強制的に、会社側に金銭面での賠償を行うよう求めるはずだ」と指摘した。

近年、労働者の賃金上昇を受け、中国の工場が破産に追い込まれる懸念は絶えず高まっており、高賃金の都市部から内陸部へ、或いはカンボジアやベトナムなどの労働コストが低い国へと工場を移転する動きも出始めている。

中国政府は労働者の権利に関する指導を行っているものの、解雇時に自分が一体どれだけの補償金をもらえるのかがわかない従業員がほとんどである。結果、具体的な状況を把握する前から、やみくもな行動に出るという事態を招く。米ミシガン大学の教授は「根拠のないデマでも、労働者たちは先手を打たなければと考えるのだろう。経営者が逃げたことで、損をしている労働者は確かに多い」と指摘している。(翻訳・編集/XC)

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