Record China 2019年8月19日(月) 16時40分
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中国メディアの人民中国は19日、「日韓危機はどこへ向かうか」と題する記事を掲載した。著者は中国国際問題研究基金会高級研究員の王泰平氏。資料写真。
中国メディアの人民中国は19日、「日韓危機はどこへ向かうか」と題する記事を掲載した。著者は中国国際問題研究基金会高級研究員の王泰平(ワン・タイピン)氏。
王氏はまず「今年に入ってから、日本と韓国の対立は事あるごとにエスカレートしている。歴史、安保、領土問題など全面的に(対立が)爆発しており、双方の最高指導者が互いに非難し合うという、全面対決の様相を呈している」と指摘。「日韓関係は1965年の国交正常化以来、最も困難な時期を迎えている」とした。
その上で、これまでの経緯として、レーダー照射問題で双方の意見が食い違ったこと、G20大阪サミットでは首脳会談はおろか握手も8秒間しかなかったこと、G20閉幕の2日後に日本が対韓輸出規制を発表し文在寅(ムン・ジェイン)政権がこれに強く反発してきたこと、対立が防衛交流にも及び韓国が日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の終了をちらつかせていることなどを紹介した。
そして、「日韓危機は主として歴史問題の裁判が引き起こしたものだ」とし、「昨年10月に日本企業に賠償を命じた韓国最高裁の徴用工判決によって、日韓関係に赤信号がともった」との認識を示した。さらに、「韓国が元慰安婦女性を支援する『和解と癒し財団』の解散を宣言したことが、日本の強烈な不満を引き起こした」とも指摘した。
王氏は、「歴史問題が対立の主因。そして、この歴史問題は日韓の間の“不治の病”で、これまでずっと両国関係を悩ませてきた要素である。日本が、韓国社会の要求の通りに、深く反省し、誠意ある公の謝罪をし、賠償要求を満たさない限り、韓国側の感情は収まらない。日韓慰安婦合意が紆余(うよ)曲折を繰り返していることから、双方は何かの協議で妥結したとしても、永遠に安泰ということではない。対立は事あるごとに飛び出してくる。現実的には、日韓両国の現在の国内政治と民意からは、双方の指導者共に簡単には引き下がることはない。そのため、関係回復のタイムスケジュールはまだ見えていない」と論じた。
一方で、「日韓の危機は基本的にコントロール可能なもので、戦争を起こすまでには至らない」とし、「なぜなら両指導者は、日韓関係が悪化し続ければ自らにとって不利となることを知っているからだ。双方は貿易や産業サプライチェーンで密接につながっており、貿易戦争が長期化すれば勝者はいない。日本の韓国に対する貿易戦発動は、歴史問題で適当なところにしておきなさいという警告。日本は金を稼ぐことのできる韓国市場を手放すことはない」との認識を示した。
王氏はまた、米国がこれまで日韓の対立仲裁に積極的にかかわっていないことについて、「一つは、米国は日韓の歴史問題の根深さを深く知っているため尻込みしていると思われる。もう一つの可能性は、トランプ政権は日米韓3カ国の関係よりも、日米、米韓の軍事同盟に重きを置いており、トランプ大統領は、日韓の危機は日米韓による安全保障に損害を与えるには至らないと認識しているのかもしれない」と分析した。
そして、「むしろ米国はこの危機を必要としている」とし、「日中韓による北東アジア経済の一体化の加速を米国は望んでいない。日韓危機の爆発は、米国にとっては願ってもないチャンスである」と論じた。(翻訳・編集/北田)
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