2019年8月17日、中国最大の天然鍾乳洞である湖北省宜昌市の太清洞で、観光客が数個の鍾乳石を母岩から割って取る事態が起こった。19日、中国メディア・人民網の中国版ツイッター・微博（ウェイボー）アカウントが報じた。

掲載された監視カメラの映像によると、観光客の男は上方にある鍾乳石を取るため柵に上り、石が取れるとそれを下にいる仲間の男女数人に手渡していった。その後、石を持ち帰ろうとしたところをスタッフに見つかり止められたという。鍾乳洞の管理者の発表によると、男は警察の指導を受けてから管理者宛てに損害を賠償するという旨の手紙を書き、管理者は謝罪と賠償をもって男の行動を許したそうだ。

この報道は多くの中国のネットユーザーの注目を集め、一時、関連ワードが微博の検索ワードランキングで上位にランクインした。ネットユーザーからは、「（賠償金を）いくら払ったかは知らないが、お金を払っても数億年前からの奇跡の産物を取り返すことはできない」「子どもがやるならまだしも、立派な大人がこんなことをするなんて、本当に理解に苦しむ」「こんな人間に観光などする資格は無い」「旅行のブラックリストがあれば、彼をぶちこんで永遠に旅行できなくするべきだ」などといった非難の声が相次いだ。

このほか、「毎回こういったニュースを見る度に憤慨させられる」「兵馬俑の指が観光客に折られて盗まれたニュースを思い出した」「（絶景で知られる）甘粛省張掖市の七彩丹霞でも、地面が観光客に踏み荒らされることがあったよね」などと、中国国内でこれまでに起こった同様の事件を挙げたユーザーもいた。

また、「今回のような件に限らず、国内外を旅行するときは自然を破壊しないように気をつけよう」と注意を促すコメントも見られた。（翻訳・編集/岩谷）