シャープ経営再建のため、中国事業を見直しへ―中国メディア

Record China    2013年7月9日(火) 17時28分

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9日、人民網によると、今年6月、新原伸一氏がシャープ(中国)投資有限公司の董事長(取締役会長)兼総経理に就任した。新原氏の就任後、シャープは中国市場に対する見直しと調整を開始した。資料写真。

2013年7月9日、人民網によると、今年6月、新原伸一氏がシャープ(中国)投資有限公司の董事長(取締役会長)兼総経理に就任した。新原氏の就任後、シャープは中国市場に対する見直しと調整を開始した。メディアは以前、「毎年の赤字計上により、シャープは悲惨な結末を迎える可能性がある。これまでの過度な投資の結果、回収困難に陥り、負債が返済不可能となり、買収か破産に直面するだろう」と予想した。

◆危機の中、活路を見出せるか

新原氏は7月のインタビューで、「シャープは来週、レノボと共同開発したスマートテレビを発表する。双方の提携は現在、技術サポートと製品の共同開発のレベルにとどまっており、新会社やブランドの設立には至っていない」と述べた。

レノボはテレビ業界の新たな参入者だ。中国国内のテレビ市場はすでに、TCL、海信(ハイセンス)、創維(スカイワース)、康佳(KONKA)、サムスン、ソニーを含む数多くの中国・海外ブランドに分割されている。レノボは昨年2種類のKシリーズ高級スマートテレビ、価格が1万4999元(約24万7000円)の55インチ版と6499元(約10万7000円 )の42インチ版を発売したが、高価格と単一的な製品ラインナップにより、この1年間の販売業績は思わしくない。

シャープは老舗家電メーカーだが、テレビ事業の市場シェアが毎年低下し、赤字によりグループ全体の事業の足を引っ張っているため、資金調達を行い現在の苦境を打破する必要がある。シャープがテレビ事業で持つ生産能力と技術は、レノボの最大の弱点だ。業界関係者は、「レノボとシャープの提携は両社にメリットをもたらす。レノボはシャープによりスマートテレビの知名度を引き上げ、提携の深化によりシャープのテレビ事業の経験を学べる。その一方で、シャープは資金不足の難題を解決できる」と分析した。

◆パネルのコア技術を中国に導入

シャープと中国電子情報産業集団有限公司は6月、29億ドル(約2932億円)を共同出資して中国に合弁会社を設立し、南京市に8.5世代ラインを増設した。合意内容によると、中国側が合弁会社の92%の株式を保有し、シャープはIGZOなどの液晶技術を提供する。

シャープが5月に発表した2012年度業績報告書によると、同社の売上高は2兆4785億円、純利益はマイナス5453億円となり、創立100年以来の最高の赤字額を更新した。そのうち液晶パネル事業の赤字は1389億円となった。

米NPD Display Searchの統計によると、2013年第1四半期の世界フラットテレビメーカーのうち、サムスン、LG、TCL、シャープが売上ランキングの1−4位を占めた。4社の市場シェアを合計すると67%弱となった。シャープは4位となったが、市場シェアは毎年下がり続けており、5.7%のみだった。

巨額の赤字に対応するため、シャープは役員人事異動、技術提携、株の売却、大規模リストラといった一連の対策を講じ、苦境脱却を図った。シャープの再起に向けた経営再建計画では、液晶パネルの取り組みに力を注ぐ必要がある。しかしその前に、シャープは中国市場で、韓国企業のサムスンとLGに先を越されてしまった。サムスンの蘇州工場とLGの広州工場は、今年と来年に稼働を開始する。シャープは同じ時期に、南京中電熊猫信息産業集団との提携を選択した。シャープが今後、価格競争が熾烈になる液晶パネル市場で活路を見い出せるかについては未知数だ。

ローマは一日にして成らずというが、シャープの発展と衰退については深く考える価値がある。日本家電メーカーはこれまで、ハード面の技術と設備のイノベーションによって知られてきたが、現在の産業のすう勢は、ソフト・システム・ソリューションプランの発展といった面の競争が主流となっている。商品開発は、日本家電メーカーの新たな弱点になっている。日本メーカーは想像力・イノベーション力が不足し、単一製品の品質にこだわるばかりで、消費者の需要をないがしろにしている。そのため伝統的な家電の束縛から逃れられず、個性化・多元化を示せていない。シャープも近年、問題の深刻さに気づき、多元化経営を開始し、「家電」のイメージを薄めた。このイメージが最近になってかなり薄まったことで、注目が高まっている。シャープの経営再建が奏功するか否かについては、時間が証明することだろう。(提供/人民網日本語版・翻訳/YF・編集/武藤)

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