Record China 2013年7月10日(水) 12時17分
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8日、晩婚と計画出産を法律で定める中国では、シングルマザーの問題にはまだ関心が寄せられ始めたばかりである。
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2013年7月8日、「新京報」が中国における未婚の母の現状を紹介する記事を掲載した。日本では同月1日、女子フィギュアスケートの安藤美姫選手が未婚のまま第一子を出産していたことを告白して、大きな話題を呼んだ。3日からはシングルマザーを取り巻く厳しい現実を描いたドラマ「Woman」も放送を開始、日本国内でもこの問題については大きな関心が寄せられている。隣国である中国のシングルマザーは現在、どのような状況に置かれているのか―同紙記者が複数のシングルマザーの証言を元に現状を報告した。
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喬敏(チャオ・ミン、仮名)さんは貴州省出身で、5年前にシングルマザーになった。子供の父親と別れた後に妊娠が発覚、相手を探し出した時、彼は既に結婚しており、妊娠中の妻がいた。彼女は医師から子供ができにくい体質であること、今回中絶してしまうと、もう子供は望めない可能性が高いことなどの説明を受け、出産を決意した。
于軍(ユー・ジュン、仮名)さんは、短い結婚生活で子供を授からずに別居した。ネットで知り合った男性と同棲し、子供を授かった。当時、彼女は41歳で、相手は20代半ば。相手からは子供を中絶するよう勧められたが、不幸に終わった結婚生活を経て一人きりの生活が長かったこともあって子供を切望し、相手と別れて出産することにした。
こうして未婚の母になる道を選んだ彼女たちがまず直面するのが、出産費用の負担と子供の戸籍の問題である。一人っ子政策で有名な産児制限を実施する中国では、出産に際して「准生証」と呼ばれる出産許可証を提出しなければならない。だが、これを取得するには結婚証明書が必要であり、婚外子を出産する場合には、当然ながら取得は不可能。「准生証」を取得しないまま子どもを産めば、罰金の対象になる。また、婚外子の出産は公的手当の支給対象にならない。さらに、出産後は子供の戸籍の取得にも「打つ手なし」といったケースが大半だ。
悩んだ于軍さんが匿名電話で管轄部門に相談したところ、「婚外出産は違法だから、子供の戸籍の手続きをしたければ、まず数万元(約数十万円)の罰金を支払うように」と言われたという。居住地の管轄部門に掛け合うと、「父親の情報と親子鑑定の証明書が必要」と言われたため、子供の父親を訴える裁判などを試みたが、いずれも結果を得られず、子供の戸籍の問題は依然として解決していない。
彼女たちのようなシングルマザーは、社会の厳しい目にさらされながら周囲の助けを得られず、子供のために孤軍奮闘する者が大半を占める。そんな彼女たちが助けを求めて目を向けたのが、ネットの世界だった。彼女たちは、ネット上のチャットサービスや掲示板、コミュニティーサイトを通じてつながり、互いに情報交換をしたり励ましあったりしている。取材時、記者は5つのグループのチャットサービスに参加したが、そのメンバー総数は2000人近くに上る。シングルマザーのコミュニティーサイトは、アクセス数が31万回を超え、書き込みは17万件以上に達した。掲示板の管理者によれば、利用者は未成年からホワイトカラーまで立場は異なるものの、増え続けているという。
5月31日、湖北省武漢市が発表した計画出産に関する管理条例の草案では、未婚の母に対して約8万元(約130万円、武漢市民の平均年収のおよそ3倍に相当)の罰金を科すという規定が盛り込まれた。この条例には、出産の抑制とともに、不倫関係を抑止する狙いもあるとみられるものの、発表後に大きな社会的議論を巻き起こした。
オンラインで4127人の読者が参加した人民日報の世論調査によれば、この条例を支持した人は18.4%にすぎなかった。中国のミニブログ上でもこの問題について大勢が発言しているが、中絶や捨て子の増加につながるのではないか、結婚しない女性から出産する権利を奪い、それに罰金を科す権利があるのか、婚外出産で罰金を科せられるのは女性だけで、男性が実質的に責任を問われないのは不公正だなど、この条例に対する不備や不満を指摘する声も寄せられた。
中国ではようやく注目を浴び始めたばかりのシングルマザーの問題。未婚で出産する行為を、どのように認めるのか。女性と子供の権益を保護する角度から、どのようにしてその利益を保障していくのか。この問題について、記者は各行政機関への取材を何度も申しこんだが、いまだ回答は得られていない。(翻訳・編集/碧海)
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