Record China 2019年11月2日(土) 11時20分
拡大
韓国紙によると、米国は韓国との防衛分担金交渉などで、朝鮮半島への長距離爆撃機、空母などの戦略資産展開費用として1億ドルを要求した。さらに米韓の危機管理の範囲を「米本土への脅威」に拡大する案も提示した。写真は板門店。
米国が韓国との防衛分担金交渉などで、朝鮮半島への長距離爆撃機、原子力潜水艦、空母など戦略資産展開費用として1億ドル(約108億円)を要求した、と韓国紙が報じた。米国は韓国への戦時作戦統制権(戦作権)返還をめぐっても、危機管理の範囲を「米本土への脅威」にまで拡大する案を提示し、韓国内に波紋を広げている。
中央日報によると、第11回防衛費分担金協定(SMA)交渉で9月24~25日の1度目と10月23~24日の2度目の会合の際、米国側が戦略資産展開費用を取り上げた。韓国政府の消息筋は「米国は毎年の戦略資産スケジュールを基に計算した結果だと説明した。米国の戦略資産は毎年ほとんど変動がない日程で動くことが明らかになった」と話した。
昨年の第10回SMA交渉で米国は戦略資産展開費用として3000万ドル(約32億円)を要求したが、今回の1億ドルは3倍以となる。米国の計算法には、これまでとは違う別の原則もあるとされ、米国は昨年から戦略資産を韓国軍との合同演習に投じていない。戦略資産が韓国の領空や領海で作戦を展開したこともほとんどない。
米空軍爆撃機の場合、2017年まではグアム島から出撃し、フィリピン(南シナ海)、台湾(東シナ海)を経て済州島を通じて韓国領空に進入した後、黄海→日本海、または日本海→黄海方向へ朝鮮半島を横切った。しかし、昨年は南シナ海と東シナ海などを飛行しながら朝鮮半島周辺を回って行くルートに変わった。
これについて、同紙は「こうした戦略資産の移動経路を考慮すると、米国は戦略資産を北朝鮮だけを相手にする韓国防衛任務ではなく、東アジアなどでの中国やロシアけん制任務に投じた後に関連費用を韓国に払うよう要求する格好だ」と指摘。このため韓国の交渉チーム内部では「在韓米軍駐留費用ではなく東アジア安保費用に対する分担要求だ。戦略資産展開費用を韓国と日本、台湾、フィリピンが分担して出さなければならないのではないのか」との疑問まで出てきたという
一方、ハンギョレ新聞などによると、米国は戦作権を韓国に返還して韓国軍大将が司令官を引き受けるようになる「未来連合司令部」の危機管理の範囲を現在の「朝鮮半島有事の際」から「朝鮮半島有事の際と北朝鮮による米国の脅威」にまで拡大するよう求めた。
この要求に関して同紙は消息筋の「結果的には韓米同盟の対応範囲が太平洋から米国本土に拡張されることになる」との見方を紹介。「米国の脅威に対する同盟の貢献が強調され、ホルムズ海峡や南シナ海など米国の軍事作戦領域にまで韓国が引き込まれることがあり得るということだ」などと憂色を深めている。(編集/日向)
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