中国海警局が発足、「海洋権益維持」が目的―中国紙コラム

Record China    2013年7月31日(水) 17時46分

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30日、人民日報は中国海警局に関するコラムを掲載した。7月22日、中国海警局が正式に発足し、南沙(英語名・スプラトリー)諸島海域と尖閣諸島(中国名・釣魚島)海域に相次いで進入し、任務を遂行した。写真は北京市にある中国海警局。

2013年7月30日、人民日報は中国海警局に関するコラムを掲載した。7月22日、中国海警局が正式に発足し、これと前後して、中国語と英語で「中国海警」と記した中国海警船が南沙(英語名・スプラトリー)諸島海域と尖閣諸島(中国名・釣魚島)海域に相次いで進入し、任務を遂行した。これは中国の海洋権益維持目的の法執行が新たな段階に入ったものとして、外部から幅広く注目された。(文:賈秀東(ジア・シウドン)本紙特約論説員、中国国際問題研究所特別招聘研究員。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)

日本メディアは中国海警局の発足について「尖閣諸島周辺の海洋活動の強化が目的」と指摘したり、中国海警局の活動について「新たな日中摩擦をもたらしかねない」と推測したり、「これによって日中対立は異なる段階に入る」と主張したりした。日本政府は中国海警船の尖閣諸島海域進入について「抗議」までした。

フィリピンメディアは中国海警船による南シナ海巡航に対するフィリピン政府の反応を報道した。フィリピン政府の報告は、中国は海警船の同海域での展開によって「南シナ海の主権維持を強化する決意を一段と顕示した」と指摘。「軍事力の弱い」フィリピンが南シナ海の領有権を主張するうえで海警船は試練であり、フィリピンは潜在的な「外的脅威」に対処するため、最低限の確かな抑止力を追求する必要があるとした。

中国海警局の発足とその初の登場に対して日本とフィリピンがやや大騒ぎしているのは明らかだ。これは中国の海洋権益維持目的の法執行の強化が中国と海洋係争を抱える国々の神経に触れるものであることを別の側面から物語るものでもある。海洋権益維持目的の法執行部隊の整理統合と発展に伴い、中国が海洋権益を主張する300万平方キロ余りの海域に中国海警部隊の出現する頻度は大幅に高まり、法執行の効率はある程度高まり、権益維持の手段は一段と多様化する。だがこれらはいずれも中国海警の正常な合法的活動であり、日本やフィリピンは一時的には受け入れられないかもしれないが、遅かれ早かれ慣れなければならない。

中国海警が何をしようとも、日本やフィリピンが引き続きこれを機に「中国脅威論」を大げさに宣伝することを阻止するのは困難だ。こうした国々は中国の島や礁に対する不法な侵奪・占拠の「固定化」を企み、海洋部隊を増強し続けると同時に、国際世論を誤った方向に誘導して中国に圧力をかけようともくろみ、互いに結託し、団結して、力を合わせて中国に対処することを図っている。だが、中国は自らの海洋権益維持において筋が通っていないわけではなく、ごく一部の国が大げさに宣伝したからといって、尻込みすることはない。

中国は依然、複雑で厳しい海洋試練に直面している。中国が持続的で急速な経済発展を保つことは、海上交通路への依存と海洋経済へのニーズも増えることを意味する。中国が台頭の勢いを保つことも、相当長期間にわたり、わが国に対する外部の大国さらには小国の警戒心と防備も強まることを意味する。外部の大国および海を隔てた隣国が海洋で連携してわれわれを牽制することも増加する一方となる。こうした背景の下、わが国が「海洋強国」を実現するには、海洋の開発・利用・保護・管理・コントロール面で堅実な歩みを踏み出し続けなければならない。中国海警をしっかりと建設し、運用することは、「海洋建国」の建設と民族復興の実現において当然必要なことだ。

このために中国は海洋の安定維持と権益維持の両手段を併用し続ける。中国海警のマークはこの点を生き生きと表現している。盾とオリーブの枝は中国海警が平和を守り、中国海域の安定と繁栄を守ることを象徴している。和平の申し出を象徴するオリーブの枝を差し出すのであれ、対戦を象徴する盾を構えるのであれ、中国の国益と地域の平和・安定・繁栄に資するかどうかを見なければならない。オリーブの枝を差し出すべき時にはオリーブの枝を差し出し、みなが対話による問題解決を望むのなら、しっかりと対話する。盾を構えるべき時には果断に盾を構え、一部の当事国が道理をわきまえずにからむのなら応戦する。

中国の海洋権益維持目的の法執行が新たな段階に入ることで、オリーブの枝はさらに緑色になり、盾はさらに頑丈になる。(提供/人民網日本語版・翻訳/NA・編集/武藤)

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