日本の米国に対する経済妥協は軍事依存の必然的な産物―中国専門家

Record China    2019年10月7日(月) 23時10分

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4日、中国網は、日米貿易協定の合意について分析した四川大学歴史文化学院副研究員の李若愚氏の意見を紹介した。資料写真。

2019年10月4日、中国メディアの中国網は、「日本の米国に対する経済妥協は軍事依存の必然的な産物」と題し、日米貿易協定の合意について分析した四川大学歴史文化学院副研究員の李若愚(リー・ルオユー)氏の意見を紹介した。以下はその概要。

先日の安倍晋三首相による欧米訪問で、最も注目されたのが国連総会期間中にトランプ米大統領と貿易協定で合意に達したことだろう。安倍首相はまだ帰国しないうちから「両国の全ての国民に利益をもたらす、両国にとってウィンウィンの合意となった」と述べた。

話し合いの決着はついたが、ウィンウィンであるかについては日本国内でまだ評価が定まっていない。鳩山由紀夫元首相はSNSで、「安倍首相は両国民に利益をもたらす合意と釈明しているが、トランプの圧力に屈した結論であることは自明である」と指摘している。

協定がウィンウィンなのかどうかは、経済と政治の両面から考慮する必要がある。経済からすると、日本は米国農産品の関税を大幅に下げているためマイナス点で、野党もこの点を攻撃している。しかし、今回の関税引き下げは以前の環太平洋連携協定(TPP)で日本が約束していたレベルであり、日本にとっては予期していたことと言える。

日本が得たものは自動車業界にある。日本側の言い分からすると、自動車の関税を撤廃するとの文言はないものの、今後の日米貿易交渉の方向性は定まったという。日本側の理解に照らし合わせると、これはトランプ大統領がもはや日本の自動車産業に対して懲罰的関税というこん棒を振るうことはないことを意味している。従って、全体的に見ると安倍首相は、第一次産業を犠牲にして第二次産業、特に自動車業界を保護したと言える。安倍首相は大企業の代弁者というイメージ通りと言えるだろう。

政治面では、5月にトランプ大統領が訪日した際、「両国にとって重大な発表が8月にある」という主旨の発言をしたことを覚えている人は多いだろう。これは日米貿易協定のことを指している。政治の観点からすると、トランプ大統領が日本に対して行った最大の譲歩は、貿易協定合意を参院選挙後に遅らせたことだろう。だが、この譲歩での最大の受益者は与党であり、日本国民ではない。一方、対中貿易摩擦の長期化で苦境に陥っていたトランプ大統領にとって、日本の妥協は国内からの圧力をある程度緩和させることができ、米国の農業生産者を受益者とした。

経済と政治の観点から見ると、日米のどちらが貿易協定合意から益を得たかは言わずとも明白である。しかし、日本の外交を評価するにあたり、その国際環境を考慮しなければならない。第2次大戦後、長期にわたって米国の制限を受けてきた日本は、米国と対等な立場ではない。しかも日本には巨大な国内市場がもたらす自信と意欲もない。アメリカファーストのトランプ大統領は弱肉強食の法則を国際舞台に持ち込んでおり、安倍政権は軍事面では完全に米国に依存しているため、外交上うまくやるのにはかなりの限界があると言わざるを得ない。(翻訳・編集/山中)

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