19億円を投じた実物大空母の観光施設、存続の危機に直面―山東省浜州市

Record China    2013年8月2日(金) 17時40分

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31日、中国・山東省浜州市に建てられた空母を模した観光施設が、オープン後わずか2年足らずで経営頓挫する危機に直面している。開業当初はもてはやされた施設が、どうしてこのような結果になってしまったのか。

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2013年7月31日、中国・山東省浜州市に建てられた空母を模した観光施設が、オープン後わずか2年足らずで経営頓挫する危機に直面している。開業当初はもてはやされた施設が、どうしてこのような結果になってしまったのか。中国青年報が特集記事で伝えた。

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この「空母」は2003年に着工。米国の原子力空母「ニミッツ」を実物大で再現するもので、当初の建築費は3000万元(約4億8000万円)を予定していた。その後、建築資材の価格が上昇したことなどにより、最終的に1.2億元(約19億2000万円)を費やして完成した。2004年2月、同市観光局は企業を誘致して入札募集を行う公示を発表したが、それには「本施設は同局が責任をもって管理する浜州新区の3大プロジェクトの1つである。施設は4星ホテルの基準で建築を行い、レストラン・ホテル・アミューズメント施設・フィットネスクラブ・入浴施設などの機能を兼ね備えた高級飲食・娯楽施設である」と明記されていた。

2008年、施設には続々とテナントが入居し、一時期は大変な人気を博して当地のシンボルマークとなった。しかし、それも長くは続かず、2010年にはほとんどのテナントが撤退してしまい、実質的に閉鎖状態となっている。今月22日に記者が現場を訪れた際も、人影は見当たらず、施設はすべて閉鎖されていて往時の面影はまったくなかった。

一時は爆発的な人気があったこの施設は、どうしてこのようなことになってしまったのか。同市政治協商会議の委員を務める王忠敏(ワン・ジョンミン)氏は、その大きな原因として「当初は政府もこのプロジェクトを多方面から支援し、関連企業に対しても一定の優遇をしていた。しかし、その後に政府の関心は他地域の開発に移り、支援が途絶えたからだ」と指摘する。また、最初は物珍しさも手伝って周辺住民などが訪れていたが、次第に目新しさがなくなり、興味が薄れてしまったことも原因の1つに挙げられるとした。

7月24日、同市観光局の張伝礼(ジャン・チュワンリー)副局長は記者の取材に対して、「実際のところ、施設はまだ完工しておらず、正式営業も開始していない。以前のテナントは、一時的な試しの営業だった」と答えた。また、同市はこの施設を救うため、山東省の協力も仰いでいるという。同氏によれば、「複数の企業と経営委譲の商談が進んでおり、近々結果が判明する」とのことだ。(翻訳・編集/碧海)

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