Record China 2013年8月9日(金) 14時50分
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8日、東アジア情勢に詳しい木村幹神戸大教授は、日本記者クラブで講演し、「中国経済の拡大に伴い、韓国の中国依存度が高まっている。安倍政権の価値観外交は行き詰っており、韓国が日本より中国との関係を重視するという構造的な問題は変えられない」と言明した。
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2013年8月8日、東アジア情勢に詳しい木村幹神戸大学大学院教授は日韓関係、中韓関係について日本記者クラブで講演し、「中国経済の拡大に伴い、韓国の中国依存度が高まっている。安倍政権の価値観外交は行き詰っており、韓国が日本より中国との関係を重視するという構造的な問題は変えられない」と言明した。
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木村教授の発言要旨は次の通り。
韓国の朴槿恵政権は米中両国との連携を軸とした国際関係を構想しており、その前提として「米中関係は和解し協調も可能」と認識している。この結果、日韓関係の重要性が低下しており、韓国は軍事的にも経済的にも日本より中国に接近している。日本側の歴史認識問題をめぐる不必要な発言が韓国政府・国民の強い反発を招き、「中国と連携して日本に圧力をかける」状況が続いている。
日韓関係は迷走中で、韓国側は「日本は理解不能」「関係改善のために努力しても無駄」という雰囲気になっている。日韓関係の修復は後回しにされ、韓国側はもちろん、日本側にも80年代の瀬島龍三氏(元伊藤忠商事副社長)のような積極的に動こうと言う人はいない。
韓国と中国は朴大統領と習近平国家主席の新体制が同じ時期に発足、これを契機に多様な戦略対話チャネルが深化・拡充されている。これによって朝鮮半島問題など政治・安保分野における協力関係が拡大している。日韓両国民の連帯と信頼を増進するため、人文紐帯の強化、文化交流、地域レベル交流、両国間貿易の年間3000億ドル目標の早期達成などを通じた戦略的な協力パートナー関係を推進している。
韓国経済における中国との結びつきが一段と強まっている。韓国貿易に占める国別シェアは中国が日本、米国を10年ほど前に追い抜き、今では2倍の規模に拡大、なお増え続けている。
慰安婦問題についての日本の議論は、韓国の運動団体の最終的な目的が「女性の人権状況の改善」であることを失念している。国際社会の主たる関心も「女性の人権問題」であり「慰安婦の強制連行」など現在の価値観から見て否定的にみなされる「過去」にこだわるのは得策ではない。ナショナリスティックな問題を提起することによって得られる「国益」とは何か考えなければならない。
中国の台頭など構造的な問題はもはや変えられない。同じ自由主義陣営の国を重視するという安倍政権「価値観外交」も通用しない。このままではかつてのような日韓関係は戻ってこない。(取材・編集/HY)
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