<コラム>お節介?親切?気さくな北京の人々

茶妹小丸子    2019年11月8日(金) 23時20分

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北京ではこちらがくだらないと思える質問をしても本当に気さくに答えてくれる。

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今回の北京滞在では外に出る時は勿論、北京の友人と一緒に買い物をしたりすることもあったが、私一人で行動していたこともあった。

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そして、今回北京では完全に中国人の生活エリアの範囲で行動していたので観光地に行ったのはたったの二箇所。擁和宮と万里の長城だ。ただし、万里の長城は墓参りのついでに行った。

北京の街には勿論地元北京生まれ北京育ちの人間はいるが、大半は外地から来て住み着いている。この他には外地からの出稼ぎで来ている人が北京の人口の大変を占めているのではないかと思われる。これを証明するのが、高級マンションに夜集まっているダンス集団などの人々。友人の話だと彼らは高級マンションに住み込みで雇われている外地から来たお手伝いさんだそうで、夜自分たちの仕事が終わると、余暇や気晴らしに同じ境遇の人達が集まり一緒にダンスをしたりしているそうだ。私もある集団に遭遇したのでちょうど休み時間になったいたので聞いてみたら、ほぼ全員と言える人が北京の人ではなかった。と、こうして北京ではこちらがくだらないと思える質問をしても本当に気さくに答えてくれるのだ。

ある日、私と友人が買い物に行こうと友人の自宅付近の道を歩いていると日本では見かけることがほぼない一人用の小さな車が泊めてあったので、写真を撮ろうとしたら持ち主の年配の女性が帰って来た。私は一応持ち主に「写真撮っていい?」と聞いたら持ち主の年配の女性は「勿論良いよ。中も見てみるかい?」とご丁寧にドアを開けて中まで見せてくれた。そうしたら私の友人も話好きだから色々と聞いていたし、私もその話を横で聞いていた。そうしたらこの年配の女性がまた話す話す!(笑)私達は面識がないのに、まー近所のおばさんの井戸端会議的雰囲気になり話すわ話すわ!です。この車の持ち主の女性の話によると、自分はこれを運転して孫の幼稚園の送迎をしているそう。孫の両親は共働きなので自分がこのミニカーで孫を送迎しているとのことだった。この年配の女性は毎日大変だよ、孫の送迎も。とそのうちにぼやきが入っていた(笑)。

お疲れのところ余り長話をしていても悪いので、じゃあ、と言って我々は目的地に向かうべく出発した。この日の目的地は大柵欄というところで北京の老舗のお店が立ち並び、昔ながらの品物が売っているところで観光地にもなっている。今回は平日なこともあって人が非常に少なくゆっくりと買い物ができた。

ここで私は北京の特産北京布靴を買おうとお店に入ったらきれいなデザインの靴が沢山並んでいた。そこであるものが目についたのだが、色が2色あった。黒とボルドーだ。凄く迷った。どっちにしようかな?と。そしたら店員が、「どっちもきれいだけど、貴方が普段着ている服はどういった色が多いの?」と言うので、スカートなんかは黒が多いね。というと、じゃあ、こっちの黒を買うほうが良いよ。と言ってくれたので黒いのを買った。そして、支払い処理をしてもらい、伝票を持ってお会計の場所に行き、会計を済ませるとそこには服の売り場もあった。見てみるとチャイナテイストの可愛らしい服が売っていたのでつい見てみたら良さそうな服があるので手に取って見ていると店員が近づいて来て「試着室があるからあそこで試着してみるといいよ」と言うので試着室に行ってみるとその試着室は日本の様な一人一人のタイプの試着室ではなくただのスペースにカーテンが設置されているだけの試着室だった。入ってみると私の他にも一人女性が試着をしていて、しかもワンピースの後ろのチャックをあげるのに悪戦苦闘しているようだった。そうしたらその女性が私に「すいません、チャックあげるのを手伝ってくれませんか?」と言うので私は良いですよ~、と言ってチャックをあげてあげた。

そうしてやっと私も自分のを試着してから試着室の外に出て鏡を見ていたら店員が「イー感じじゃないの~?貴方ならワンサイズ下のでもいいかもねー」と言うので、「もうワンサイズ下は多分無理、今はわからないけど、実は私も年齢と共にお腹の肉がついて来てお腹が出てきてるからこのサイズで良いわ」と言うと店員は笑っていた。

そうして買うことにして支払いをした後に、あ、さっき買った靴を支払いしたまま受け取るの忘れた!と思い靴売り場の店員に「すいません。伝票渡すの遅くなってしまって。服売り場に行ったらつい買っちゃって」と話したら、店員が「良いのあったかい?大丈夫だよ」と言ってくれた。

北京ではこうした光景はもう日常茶飯事。知らない人同士でも同じ空間にいたら気さくに話すし、質問すれば気軽に答えてくれるし、売り場でも特に女性は井戸端会議に鼻が咲く。こうした光景は今の日本では先ず見ることも経験することもないと言えるが、私は北京の人達の方が人間味があるようにも感じた。

実はこの売り場の店員は私が日本人だなんて微塵も思っていなかったから私にも気軽に話しかけてきたのだが、私もついつい反応したもんだから彼らは余計に私を日本人だなんて思ってないだろう。後から話したが。話さないと話の辻褄が合わない事があったので私は日本人だよ。と話したらびっくりしていた。が、だからといって反日感情をむき出しにすることは一切なかった。むしろ私は珍獣扱いだった。日本人が中国語を話すのが余程珍しいらしい。(笑)私はイモトの珍獣ハンターの珍獣だった。(笑)。

養和宮に行った時も同じだった。ここには18メートルの大きな菩薩様があるのだが、説明には26メートルの一本の木で作った菩薩と書いてあったのを私が見ていたら知らないおばさんが、「こんな大きな木を当時どうやってここまで運んでつくったのかしらね〜?」と私に話しかけて来たもんだから私もつい反応してしまい「現代の私達には想像がつきませんよね?こんな大きな木をどっかから持ってきて運んでこうした物をつくるなんて」とおばさんと立ち話をしてしまった。その光景を見ていた私の北京の友人が「これって奈良の大仏とどっちが大きいのかね?」と言い出して、友人は旅行ガイドと思われる女性に近づいていき「ねーねー、この菩薩って日本の奈良の大仏とどっちが大きいの?」と聞いていた。そうしたらその旅行ガイドは「えー、私日本に行ったことないからわからないわよ」と言っていた。実は私がこのやり取りの最中にネットで調べたらここの菩薩方がでかいことがわかった。

と、北京では面識がなくてもわからないことがあれば誰にでも聞いても問題ないのである。そして、そこで話が弾めば井戸端会議が始まるのなんて日常茶飯事なのだ。

今の日本の若者はきっとこうした雰囲気はドン引きするだろう。なんせ知らない人間同士が井戸端会議をしているのだから。

しかし、私はこうした北京の人達の方が人間味もあって温かいと思うし、人間同士何処の国でも同じなんだな!とも感じた。

今中国でも確かにスマホが普及していて若者はスマホを見ながら歩いてはいるが、若者に道を聞いても若者のスタイルで答えてくれる。例えば自分たちが知らない道を聞かれたらスマホですぐに調べてくれるなど。こうした人間らしいやり取りが北京では5日間繰り広げられていた。私は久しぶりになんか心温かい気分になれた様な気がした。

日本ではまだ中国に対して色々な偏見や見方が有るようだがやはり実際に行ってみた方が良いな!というのは実感した。

■筆者プロフィール:茶妹小丸子

1967年生まれ。千葉県出身。中国浙江省杭州大学(現浙江大学)漢語進修コースに1年留学。広西チワン族自治区外貿公司駐日本代表事務所に5年の勤務、上海に4年間駐在した経験を持つ。バリバリのキャリアウーマンでもない、半分パートタイムで半分専業主婦が30年間自分の目で見て聞いた事を日本の皆さんに紹介できたら!と思っている。

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