中国で暗号法が可決、普段使っているのは「パスワード」ではない!?―中国メディア

人民網日本語版    2019年10月31日(木) 23時0分

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インターネット時代に生きる今の人々は、日常的に使用しているパスワードが安全なのかが心配になることもあるだろう。資料写真。

インターネット時代に生きる今の人々は、日常的に使用しているパスワードが安全なのかが心配になることもあるだろう。中央テレビニュースが報じた。

パソコンと共に育ったと言ってもいい現代の人々は、小学生や中学生の頃から、各種アカウントが乗っ取られないかを心配しながらインターネットを利用してきた。10月26日午後、第13期全国人民代表大会常務委員会第14回会議で「中華人民共和国暗号法」が可決した。2020年1月1日より施行される。

長年、ウイルスやトロイの木馬、ハッキングなどにさんざん悩まされてきた人は、これで法律を武器に大きな保障を得ることができると、胸をなでおろしていいのだろうか?

▼日常的に使用している「パスワード」はパスワードとは言えない?

実は私たちが日常的に使用しているような「英大文字・英小文字・数字・記号をそれぞれを最低1文字ずつ含むパスワード」は、専門家にしてみれば「パスワード」とは言えないという。

世界で最強のパスワードを解読し、世界のバスワード専門家を混乱に陥れた女性として知られる中国科学院の院士で、清華大学の教授、パスワード専門家の王小雲教授は、「パスワードを入力し、何も処理せずに直接サーバーに送って認証するのなら、パスワードとは言えず、単なる号令に過ぎない。文字や数字を入力した後、暗号の演算を通して別の結果を出し、その結果が合法的なユーザーかを判断する時はじめて『パスワード』と言える」と指摘する。

▼具体例でみるパスワード

張さんが王さんを誘って食事をしに食堂に行くものの、それを他の人には知られたくない場合、張さんを「0」、王さんを「1」、「食堂」を「7」、食事を「9」と暗号化する。すると「0179」は、「張さんが王さんと食堂に食事に行く」という意味になる。その過程で、単語を数字に変えるというのが、最も原始的な「暗号」となる。

コアパスワードや普通パスワードは、国家秘密情報の保護に使われ、国家機密に属する。商用パスワードは国家機密以外の情報の保護に用いられ、公民、法人、その他の組織は法律に基づいて、それを使いネットワークや情報の安全を守ることができる。

▼暗号に的を絞った法律制定が必要な理由は?

王教授によると2018年に至るまで、暗号アルゴリズム・SM3で保護されているスマート送電ネットワークはユーザー6億人、高速道路のモニタリングシステムはユーザー4億人、銀行USBフラッシュメモリ証書はユーザー10億人をカバーしている。中国国内の半分のコンピューターネットワーク通信は、現在の暗号技術で安全を保障することができる。

しかし、今後、人工知能が急速に発展すれば、個人の安全、国家の安全にとって、暗号技術がますます重要になってくる。現在多くの人が使っているビッグデータやクラウドコンピューティング、金融サービス、自動運転、ドローンの背後では、暗号システムがその運用を保護している。

「暗号による保護がないというのは、家のカギを盗まれて、誰かが自由に自分の家を出入りしているにもかかわらず、自分はそれを全く知らないのと同じだ」と王教授は指摘している。(提供/人民網日本語版・編集KN)

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