テレビ産業は「中国主導」へ、日韓は欠席扱い―中国メディア

Record China    2013年8月30日(金) 6時40分

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28日、中国の電気機器メーカーTCL集団はこのほど、2013年上半期の財務報告を発表し、またしても輝かしい業績を明らかにした。写真は上海市にあるTCL広告。

2013年8月28日、中国の電気機器メーカーTCL集団はこのほど、2013年上半期の財務報告を発表し、またしても輝かしい業績を明らかにした。同報告のデータによると、TCLの上半期の営業収入は390億6000万元(約6226億8000万円)で前年同期比31.5%増加し、純利益は10億7000万元(約107億6000万円)で同122.2%増加した。このうちマルチメディア事業では同20.3%増加の160億2000万元(約2553億9000万円)の営業収入を達成し、液晶テレビの販売台数は同20.7%増加の781万8000台に達した。同期にはTCLが目覚ましい業績を上げただけでなく、海信集団や康佳集団などのテレビブランドもそれぞれ成長を遂げた。財務報告をまだ発表していない長虹集団も純利益2億2000万元(約35億円)を達成したと予想される。新華網が伝えた。

ある業界ウォッチャーの指摘によると、上半期に経済環境が低迷を続けるなか、中国製テレビがこれほど急速な成長ペースを保ったことは特筆に値する。販売台数と利益がともに増加したことの背景に、中国テレビ産業がモデル転換とグレードアップに成功したことがあるとも考えられる。TCLによると、収入と利益が伸びた重要な原因の一つは、ハイエンド製品の占める割合が上昇したことだという。同ウォッチャーによると、これまでのテレビ市場は完全競争が展開される薄利の厳しい市場だったが、TCLを代表とする中国メーカーは従来の市場の局面をうち破ることに成功した。3Dテレビ、スマート・クラウド・テレビに続き、ハイエンド製品である4Kテレビの分野で絶対的な優位に立ち、ハイエンド市場への進出をよりどころとしてより高い付加価値を獲得することに成功した。

だが実際には、中国テレビ産業がハイエンド製品を打ち出した当初には非難の声が多数寄せられた。世論では、有機ELテレビがテレビの未来の方向性とされ、その他は過渡的な製品とみなされていた。こうした見方は当時の日本や韓国のテレビメーカーの中心的な考え方を反映したものであることは間違いない。同ウォッチャーも次のように指摘する。有機ELテレビで外資系ブランドが大規模な投資を行ったため、中国企業は何もできなかったというのは一種の誤解だ。TCLによると、華星光電技術有限公司は第8.5世代テレビ生産ラインを建設し、有機ELテレビの生産を検討し、長虹や京東方科技集団株式有限公司なども有機ELテレビの研究開発プロセスを積極的に推進した。

だが両方に着手するより、一つの製品に集中して力を入れたほうがいい。中国テレビ産業は有機ELテレビの研究開発を加速すると同時に、4Kテレビの発展チャンスをしっかりつかまえ、4K産業の発展の主導権を握った。調査会社の北京奥維営銷諮詢有限責任公司のまとめたデータによると、中国製テレビは中国4Kテレビ市場で95%近いシェアを獲得し、日韓ブランドをはるかに上回っている。

同ウォッチャーによると、日韓メーカーは3Dテレビ、スマートクラウドテレビ、4Kテレビなどの主流争いではいつも「欠席」で、テレビ産業には中国が主導して外資系企業が追随する局面がすでに形成されている。日韓ブランドにはここ数年来、カラーテレビの発展の方向性を把握する中で気がかりなことがたくさんある。3Dテレビやスマートクラウドテレビでこうした傾向が顕著であり、4Kテレビでも同じように大きく後れを取っている。日本のシャープは今年7月に初めて普及タイプの4Kテレビを発表し、特大サイズで超高価格のその製品は韓国のサムスンLG、日本のソニーなどの4Kテレビと変わらず、一般消費者の手の届くものにはなりそうもない。

日韓ブランドが4Kテレビで出遅れたのとは異なり、中国メーカーは機先を制し、4Kテレビ普及推進の主力となった。現在、中国の4Kテレビ技術は十分に成熟し、中でもハイエンドモデルには4コアCPUと最新のアンドロイド4.2システムが搭載され、最高品質の4K視聴効果が実現されている。同じように重要なことは、中国テレビメーカーは4Kテレビの価格を一般消費者が買ってみようという気になる金額まで率先して引き下げたことだ。

中国製テレビが全面的に優位に立つようになり、世界のテレビを取り巻く局面が根本的に変化し、中国製テレビは追随者から主導者への脱皮を遂げた。調査会社ディスプレイサーチがまとめたデータによると、今年第1四半期(1−3月)にTCLは初めてシャープとソニーを抜き、世界のテレビメーカー上位3社に名を連ねた。海信と創維集団も上位7社入りし、中国製テレビはブランドでも製品でも幅広く認められるようになったことがわかる。

下半期の発展について、業界には楽観的な味方が広がっている。ある業界関係者の話によると、4Kテレビの大流行やスマートクラウドテレビの普及にともない、中国テレビ市場はさらに急速な発展を遂げるとみられる。またTCLが4Kテレビでの圧倒的な優位をよりどころとして、引き続き業界の先頭を走ることが期待される。(提供/人民網日本語版・翻訳/KS・編集/武藤)

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