GSOMIAの条件付き延期は日韓のズレを埋められるか―中国メディア

Record China    2019年11月28日(木) 15時0分

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27日、中国メディアの中国青年報は「元徴用工への賠償問題と半導体素材の輸出規制に対する日韓両国の対処次第で、GSOMIAの延期を再度議論することになるだろう」と分析した浙江外国語学院東方語学院の劉[王路]氏のコラムを紹介した。資料写真。

2019年11月27日、中国メディアの中国青年報は「元徴用工への賠償問題と半導体素材の輸出規制に対する日韓両国の対処次第で、軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の延期を再度議論することになるだろう」と分析した浙江外国語学院東方語学院の劉[王路](リウ・ルー)氏のコラムを紹介した。以下はその概要。

11月22日、韓国政府が日本とのGSOMIAの条件付き延期を決定し、日韓両国間で輸出規制問題解決に向けた話し合いが再開されることなったが、最大の問題である元徴用工の賠償問題が未解決のままで、条件付き延期が日韓関係の転機となるかについては先行きが不透明だ。

「条件付き」で延期されたGSOMIAについて、韓国大統領府の金有根(キム・ユグン)国家安保室第一次長は、「いつでもGSOMIAを失効できるという前提で、破棄を取り消した」「輸出管理政策の対話が正常に進んでいる間は、日本を提訴したWTO(世界貿易機関)の手続きを停止する」と述べたそうだ。GSOMIAは日本と韓国の間で直接軍事上の秘密を要する情報を共有することができる協定だ。2016年11月23日に署名後、1年ごとに自動更新するが、協定を破棄する場合は90日前の8月24日に通告することになっていた。韓国は今年の8月24日にGSOMIAの破棄を日本に通告し、11月23日午前0時に失効する予定だったが、失効前日の11月22日に破棄通告を停止した。

元徴用工への賠償問題は、日韓関係に危機をもたらす導火線だろう。2018年10月30日に韓国大法院が元徴用工をめぐる裁判で日本企業に賠償を命じる判決を出し、韓国合弁企業の株式や知的財産権などの日本企業の資産が差し押さえられた。これに対し、日本政府は1965年の日韓請求権協定において元徴用工に対する補償の請求権は完全かつ最終的に解決されていると主張。その状況下で「ホワイト国」のリストから韓国を除外し、半導体素材の輸出規制を決定した。元徴用工をめぐる訴訟を原因とする「経済報復」とも言えるだろう。「戦犯企業」と見なされた日本企業を訴えた韓国人元徴用工の弁護団は、10月30日のソウルでの記者会見で「差し押さえた日本企業の資産の現金化は、2020年の上半期にずれこむ」との見通しを示したという。この件について、日本の茂木敏充外務大臣は「現金化はあってはならない。関係はさらに深刻な状態になる」と述べた。あと1カ月で迎える2020年は、「日韓関係のレッドライン」の到来を意味しているだろう。

GSOMIAの延期により、日韓関係が「対話を開始」したことについて肯定的に評価するが、日本と韓国のそれぞれの立場は非常に明確だ。韓国の目的は日本の輸出規制の撤回だが、日本は「GSOMIAと輸出規制は別問題」という立場だ。元徴用工の賠償問題と輸出規制の問題で日韓両国のどちらかの対処次第で、GSOMIAの延期に関する議論が再度浮上するだろう。(翻訳・編集/原邦之

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