Record China 2019年12月21日(土) 10時10分
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2008年にノーベル経済学賞を受賞した米国のポール・クルーグマン氏は、米紙ニューヨーク・タイムズに投稿した文章の中で「トランプ大統領は間違いなく米中貿易戦争の敗者だ」と論じた。写真はトランプ大統領。
2008年にノーベル経済学賞を受賞した米国のポール・クルーグマン氏は、米紙ニューヨーク・タイムズに投稿した文章の中で「トランプ大統領は間違いなく米中貿易戦争の敗者だ」と論じた。19日付で米華字メディア・多維新聞が伝えた。
米中両政府は13日、貿易協議において「第1段階」の合意に達したと発表した。米国は15日に予定していた「第4弾」の対中制裁関税発動を見送り、昨年の貿易戦争開始以降、初めて対中制裁関税を一部緩和する形になった。
クルーグマン氏はこれを受け、「トランプ大統領と彼のチームは、今回の協議を米国にとっての“勝利”だと主張している」と紹介。一方で、「トランプ大統領の就任後、貿易赤字は減るどころか増大している。今年10月までの12カ月ではその額が、2016年の5440億ドル(約59兆4775億円)から6910億ドル(約75兆5332億円)にまでなった」と指摘した。
同氏はさらに、今回の合意内容に中国による米国産農産物の輸入拡大が主要項目として含まれたことに言及した上で、「実のところ、トランプ大統領は農産品の輸出業者を見下している」と指摘。「昨年夏にトランプ大統領は日米貿易摩擦の問題に関して、『(日本はわれわれに多くの自動車を送っているが、)一方でわれわれが彼らに送っているのは小麦だ。小麦だぞ』とあざ笑うように発言した」と紹介し、「実際に彼がより重視しているのは製造業だ。普段(農業を重視しているかのように)イメージを取り繕っているのは、農村部の票が必要だからだ」と指摘した。
続いて、同氏は「トランプ大統領は貿易戦争に敗北している」と主張する根拠を2つ紹介。まず、「米国にとって、広大かつ経済が発展していて、いくつかの方面では米国よりも強大な国を制するというのは永遠に達成できないことだ。トランプ大統領が他の先進国と疎遠になっていることを踏まえればそれはなおさらだ。本来であれば米国はそういった先進国と手を取って、共に中国に圧力を掛けたり、中国の経済政策を変えさせたりすることができたはずだ」とした。
2つ目に、「トランプ大統領の貿易戦略は約束された通りの効果を上げていない。関税は米国の消費者と企業の肩にのしかかっている。もしもトランプ大統領が今回の対中制裁関税の発動を中止していなければ、消費者の負担はより大きくなっていただろう」と分析した。
その上で同氏は、「トランプ大統領の貿易戦争は米国の名声を損なうだけでなく、米国に長期的な代償を負わせることになる」と指摘。「米国の同盟国は『米国を信用してはならない』と悟り、米国のライバルは『米国を恐れる必要はない』と理解するからだ」と指摘した。
さらに、「北朝鮮の人々が一方でトランプ大統領の機嫌を取りながら、もう一方で核兵器を製造しているように、中国人もトランプ大統領をはっきりと見定めるようになった。彼らは今では、トランプ大統領は発言は大胆だが中身が伴っておらず、政治的に脅かすような方法を取れば萎縮することに気付いている」と論じた。(翻訳・編集/岩谷)
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