「敬語話すドラえもんを」「日本で韓国人と友達に」―第15回中国人の日本語作文コンクール表彰式が北京で

日本僑報社    2019年12月20日(金) 23時30分

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日本僑報社・日中交流研究所主催の第15回「中国人の日本語作文コンクール」の表彰式と日本語スピーチ大会が2019年12月12日、北京の在中国日本大使館で行われた。

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【日本僑報社発】日本僑報社・日中交流研究所主催の第15回「中国人の日本語作文コンクール」の表彰式と日本語スピーチ大会が2019年12月12日(木)午前、北京の在中国日本大使館で、横井裕特命全権大使をはじめ上位入賞者やその指導教師、家族など関係者約160人が出席して開かれた。

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中国人の日本語作文コンクールは、日本と中国の相互理解と文化交流の促進をめざして、2005年にスタート。中国で日本語を学ぶ、日本に半年以上の留学経験のない学生を対象として、今年で第15回を迎えた。今回は、中国のほぼ全土にわたる大学や専門学校、高校など208校から前年の4288本を上回る、計4359本もの作品が寄せられた。

日中関係は、一昨年の国交正常化45周年、昨年の平和友好条約締結40周年という節目の年を経て、両国首脳の相互往来が重ねられるなど改善の流れが加速している。また今年は青少年交流を進めるため、両国政府が定めた「日中青少年交流推進年」と位置づけられている。こうした積極的な日中関係の背景をとらえ、日本語を学ぶ中国の若者たちの日本語学習熱が今なお高まりを見せていることが示された形となった。

今回のテーマは(1)東京2020大会に、かなえたい私の夢! (2)日中新時代を考える――中国の若者からの提言 (3)今こそ伝えよう! 先生、家族、友だちのこと――の3つ。

数次にわたる厳正な審査の結果、佳作賞以上の計310本(人)が入選を果たし、現任の横井大使自らによる最終審査で、最優秀賞の日本大使賞が決定。上海理工大学大学院の潘呈(はん・てい)さんによる作品「東京五輪で誤訳をなくすため、私にできること」がみごと日本大使賞の栄冠に輝いた。

この作品は、来日時に見かけたおかしな中国語訳をなくすために、ネットを通じて正確な翻訳を提供するサービスを行いたいという、日本語を学ぶ若者らしい熱意とユニークな発想にあふれた一編だ。

表彰式で挨拶した横井大使は、この作品を自ら大使賞に選んだ理由について「『東京2020大会に、かなえたい私の夢!』というテーマに沿って、潘さんは、自らの日本での経験を生き生きと描き、加えて、自ら設定した課題に具体的で実際的な解決策を提示し、それを高い水準の日本語で表現した。このことが潘さんの作品を大使賞に選んだ理由だ」と語った。

また、日本語を学ぶ中国の学生たちに向けて「引き続き日本語を始めとする各分野で研鑽を積み、日中関係の担い手、両国の間の架け橋となっていただけるものと、確信している」と力強いエールを送った。

日本大使賞の授与式では、横井大使が潘呈さんに賞状を授与したほか、主催者を代表して日中交流研究所の段躍中所長(日本僑報社編集長)が副賞「日本1週間招待」の目録を贈呈した。続いて、各賞の受賞者と、2015年に創設された「優秀指導教師賞」の受賞者が発表された後、潘呈さんらによる日本語のスピーチが行われた。

 

4回目の参加にして、今回ついに念願の日本大使賞に輝いた潘呈さんは、東京五輪を機に自分の力を生かして正しい翻訳を提供したいと訴えた。このほか、難しい日本の敬語に慣れるため「敬語をしゃべるドラえもんアニメを制作してほしい」とユニークな提言をした龔緯延さん、日本アニメの聖地巡礼で韓国人と友だちになり、国境を超えるアニメの魅力を再認識したという呂天賜さんなど、それぞれが受賞作を堂々とした日本語で発表した。その上で、一人ひとりが受賞の喜びや感謝の気持ちを伝えるなど、日ごろの学習の成果を十二分に披露した。

来賓の挨拶に続いて登壇した日中交流研究所の段躍中所長は、15年にわたる各界からの支援に感謝の意を述べるとともに、「日本語学習を通じて日本への理解を深めた学生たちを、これからも応援していただきたい」と、コンクールへの一層の理解と支援を呼びかけた。

受賞者たちは、晴れ晴れとした笑顔を見せるとともに「受賞が大きな励ましになった。将来は日本に留学したい」「来年はもっと上位を目指してがんばります」などと語り、この日の華やかな表彰式を機として、一層の日本語学習意欲を示していた。(編集/北田

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