Record China 2013年9月18日(水) 17時2分
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日中関係緊迫化で激減していた訪日中国人観光客が回復しつつある。8月の訪日中国人は16万2500人と今年最多となった。日本の観光業界は、中国で10月の国慶節など連休が続くことからさらに増加が見込まれると期待している。写真は外国人観光客で賑わう東京・浅草。
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2013年9月18日、尖閣諸島をめぐる日中関係緊迫化で激減していた訪日中国人観光客が回復しつつある。日本政府観光局によると、今年8月の訪日中国人は16万2500人と単月で今年最多となった。前年同期比でも14.6%減と昨年9月の尖閣諸島国有化前の85%の水準まで回復。日本の観光業界は、中国で9月の中秋節、10月の国慶節など連休が続くことからさらに増加が見込まれると期待している。
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日本政府観光局の調査によると、今年上半期(1〜6月)の訪日中国人は53万6000人で前年同期に比べ27%も減少した。毎月平均10万人未満だったが、7月に14万人、8月16万人と着実に増えている。特に個人旅行の回復が顕著だが、昨年9月の反日デモ以降、ほとんど止まっていた団体旅行も復活の兆しを見せている。
今年4〜6月に日本を訪れた中国人観光客は28万人と前年同期と比べ3割減った。ところが1人当たりの消費額が大きいため消費総額は558億円と国・地域別でトップ。中国人観光客の訪日1回当たりの平均消費額は19万8000円と訪日観光客数が最も多かった韓国の3倍。消費意欲の高い中国人旅行者数が回復すれば、日本の景気にも追い風となるのは確実だ。
日本の観光業者にとって、朗報は10月から中国の「旅遊法」が改定になることだ。従来は団体ツアーの場合、ガイドによって紹介された店舗で買い物を行うのが一般的だったが、今後は旅行者が自由に店舗を選ぶことが可能になる。旅行者は旅行前に予め、ソーシャルメディアで商品や店舗の口コミ情報を確認し、EC(電子商取引)サイトで価格を調べ、旅先のリアル店舗で購入をするという流れができるという。これは中国から日本へのインバウンド事業者様にとって大きなチャンスとなる。
中国では、国慶節をはじめ長期休暇が多い秋は春節に並ぶ旅行シーズン。これを狙って観光・航空業者などが様々なキャンペーンを展開している。 9月中旬に東京で開催された「旅行博」に昨年参加を見送った中国国家観光局が出展するなど中国側は積極姿勢に転じた。日本の観光業者も中国各地で観光商談会を開催するなど機運は盛り上がっており、関係業者は「10月以降の旅行シーズンは大いに期待できる」と異口同音に語る。日本政府観光局は旅行業者との共同広告や微博(中国版ツイッター)での日本観光情報発信などを実施中だ。
日本政府は、2013年に訪日外国人旅行者数1000万人を達成し、さらに2000万人を目指す計画を立案。2030年には3000万人を超えることを目標としているが、このままではかなり難しい。今年上半期の訪日外国人観光客は円安を背景に前年同期比22.8%増の延べ495万5000人。過去5年の上半期で最多を記録した。特に増加が目立ったのは東南アジアで、タイ、ベトナム、インドネシアの3カ国は5割増に上った。こうした中、中国人観光客は日中関係の悪化が影響し、同27%減と唯一の減少となった。
日本政府は「中長期的な目標の達成には、隣接し富裕層や中間層が急増している人口大国・中国からの観光客をもっと呼び込む必要がある。円安・人民元高や2020年の東京五輪開催決定も追い風になる」(観光庁幹部)と期待している。(取材・編集/HY)
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