巣鴨商店街は世界的にも有名=晩年の生活をより幸せに―中国メディア

Record China    2013年9月20日(金) 20時52分

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18日、人口の高齢化は現在、世界的な問題となっている。ここ数年、中国の高齢者の福祉待遇はますます向上しているが、社会では高齢者専用のショッピングや娯楽の場所は少ない。こうした分野で日本は進んでいる。写真は巣鴨商店街。

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2013年9月18日、人口の高齢化は現在、世界的な問題となっている。ここ数年、中国の高齢者の福祉待遇はますます向上しているが、社会では高齢者専用のショッピングや娯楽の場所は少ない。こうした分野で日本は進んでいる。高齢者専用のショッピング街や、高齢者のレジャー、生活に必要な周到なサービスが提供されている。生命時報が伝えた。

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▽長い歴史、毎年800万人が訪れる

東京はファッションの代名詞だが、東京にも次のような場所がある。800mにも満たない歩行者天国に200近くの店が集まっているが、前衛的なファッションの店もなく、訪れる人は皆、白髪頭の人たちだ。立ち並ぶ店はいずれも高齢者向け商品を売っており、これが世界的にも有名な巣鴨商店街だ。

巣鴨は江戸六地蔵尊の一つで、明治から第2次世界大戦前まで、主に日用品を売る商店があった。1969年にスーパーの西友が巣鴨に店舗を開き、差別化経営を実現するために巣鴨商店街は、高齢者用品販売へと転換し日増しに深刻さを増す高齢化に対応した。巣鴨商店街はこうして「高齢者向け商品」を看板に掲げ、町の建設にも高齢者の好みを反映させた。現在、巣鴨商店街は商業が発展した高齢者の町となり、地蔵通り商店街振興協会が管理している。統計によると、巣鴨商店街は高齢者を中心とする観光客が毎年800万人訪れ、平日の訪問者数は約1-3万人に達する。毎月4日、14日、24日には「とげぬき地蔵菩薩」を奉る高岩寺で縁日が開かれ、観光客は6万人に増加する。

巣鴨商店街は伝統的な商店街の形式を残している。道の両側の多くは木造建築だ。郊外のショッピングセンターに比べて、コンパクトな空間は高齢者のショッピングにより適している。町中心部のコンビニに比べて、ここは高齢者向け用品がより集中している。

▽庶民的な価格、高齢者向け用品が豊富

巣鴨商店街には高齢者向けの衣料品店や生活用品店、健康機器店、薬局、化粧品店、軽食店、カラオケ店などが並び、高齢者が好むものなら何でもある。高齢者の青春時代のCDや当時のアイスなど、両親のための贈り物を選ぶ若者にもぴったりだ。

巣鴨商店街の商品価格は比較的安く、Tシャツ1枚で3000円ほどだ。同じく中高年をターゲットにする銀座のデパートが数万円という値段であるのに比べると、庶民的な価格が際立つ。商店街の管理人によると、高齢者が買い物しやすいように、全ての商店では大きな文字で価格が明記してある。

巣鴨商店街で最も特色があるのは「赤い店」だ。日本では赤い色が高齢者に人気で、エネルギーや元気さを代表する色と言われている。高齢者は赤い色の服を着るのを好み、下着も赤だ。このため巣鴨商店街では「赤い店」の前には多くの高齢者が集まっている。町を歩くと、赤いファッションをまとったおばあさんとすれ違い、そのメイクの赤い唇に元気が溢れている。

▽きめ細かなサービス、高齢者文化の発信地

高齢者に安全で便利なショッピング環境を提供するため、巣鴨商店街ではいたるところに高齢者向けの配慮がなされている。商店街全体が車椅子に適した道路舗装で、一定間隔にAED(自動体外式除細動器)が設置され、多くの店員が応急手当のトレーニングを受けている。もし高齢者が倒れた場合、救急車が来る前に店員が応急措置をすることができる。商店街を歩くと、中央に設置されたベンチが目につく。これは高齢者がいつでも休めるように設置されたものだ。また商店街の入り口には、送迎用のバスもある。

巣鴨商店街は現在、アジアだけでなく世界でも有名な高齢者の町になっており、その存在は一つのシンボルだ。日本高齢者医学会の専門家は「現在、巣鴨商店街は高齢者用品の集積地であるだけでなく、高齢者の生活文化の発信地でもある。高齢者の内面や好みを深く掘り下げることで、高齢者の文化を生み出している。例えば昭和年代のムードを再現したバーや、高齢者の精神をリフレッシュする映画館、高齢者向けクラブなどで、高齢者が社会から取り残されておらず、見捨てられていないという感覚を与える」と語る。

また専門家は巣鴨商店街の役割を評価している。「高齢者の町としての巣鴨商店街の発展の方向性は正しい。日本で高齢者人口が増加している現在、高齢者のニーズが高まっており、彼らのニーズをしっかり把握することは、ビジネス的な成功のみならず、社会の調和にも貢献する。高齢者の幸福と安定は極めて重要だ。巣鴨商店街は高齢者に肯定感や充実感をもたらし、彼らの晩年の生活をより幸せにする」と述べた。

▽感情のつながり、娯楽や集会の聖地

日本の高齢者はショッピングを重要な社交活動と位置づけ、おじいさんやおばあさんは連れ立って巣鴨商店街へショッピングや食事、カラオケに訪れ、絆を深めている。彼らは少なくとも月に一度は訪れ、近くに住む高齢者はほとんど毎日現地をぶらついている。また多くの夫婦は巣鴨商店街でのショッピングをデートの機会にしており、夫は妻の洋服や化粧品選びにつきあう。

巣鴨商店街の店員は一般的に若者だが、高齢者のお客と笑顔で談笑する。町全体が高齢者で満ち溢れているが、しかし活気は渋谷や原宿など若者が集まる場所と変わらず、高齢者が自分を高齢者と意識することなく、若者のように快活に過ごしている。

巣鴨商店街ではまた地域の親密感を生み出している。街角のカフェや寺は住民が集まり、おしゃべりを楽しむ場所だ。昼食時には、血圧計の販売店に多くの高齢者が集まる。ある60代の高齢者は「私は毎日ここに来て、健康講座を聞いたり、町の住民とおしゃべりする。生活は充実していて、まるで家にいるかのようだ」と語る。

毎年夏になると、現地では有名な「朝顔市」が開かれ、道路両側に2000鉢以上の様々な色の朝顔が並ぶ。「落ち着き、勇気、自信」という花言葉の朝顔は、まさに高齢者の心境にぴったりだ。(提供/人民網日本語版・翻訳/YH・編集/武藤)

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