人民網日本語版 2019年12月28日(土) 20時50分
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世論調査「中国人の見る世界」で、近年中国の国際的イメージが「良くなった」との回答は7割近く(69.7%)、「悪くなった」との回答は12.3%、「変わらない」は8.6%だった。写真は上海駅。
2019年の世界はやや混迷していた。シリアの戦火は終息せず、朝鮮半島情勢は不透明で、中南米やインドで発生した抗議活動は予想外の広がりを見せ、米仏など先進国も騒乱と社会的分断に散々苦しめられた。環球時報傘下の環球世論センターはこのほど年度世論調査「中国人の見る世界」を実施した。調査では、中国国民が自国の将来の発展環境に対して楽観的であり、「中国脅威論」など中国関連の論争に対して、より理性的で穏やかになっていることが明らかになった。環球時報が伝えた。
■米中関係は最も重要、中露関係はより緊密
今回は11月20~29日に、オンライン上のアンケート記入方式で無作為抽出調査を実施。中国の大部分の省(自治区・直轄市)から2286件の有効回答を得た。
過去13年の調査と同様、中国に対して最大の影響がある二国間関係として回答者が筆頭に挙げたのは「米中関係」(82.1%)だった。次が「中露関係」(42.1%)で、「米中関係」を大きく下回った。3位は「中国EU関係」(33%)で、他の二国間関係はいずれも10%未満だった。
周辺国との関係では、「中露関係」の重要性が「日中関係」を遥かに上回った。中露関係の重要性は2013年の調査以来大幅に高まり続け、2019年には過去最高の74.8%に達した。日中関係は2位で、39.8%だった。周辺国との関係で日中関係が最重要視されたのは2008年が最後だ。さらに、ここ7年間は「日中関係」の重要性は40%以下にまで落ち込んでいる。
「この2組の数字は、中国の外部環境の客観的な機会と試練、及び中国国民の国際認識の変化を反映している」。中国国際問題研究院の楊希雨(ヤン・シーユー)研究員は環球時報の取材に「米中関係は長年首位を占めている。これは好むと好まざるとに関わらず、平和的台頭を実現できるか否かにおいて、米国が最大の鍵を握る外部変数であることを十分に物語っている」「新中国成立70年の歴史において、米中関係は多大な変化があるたびに、中国国内と国際的発展の両大局に影響を及ぼしてきた。このため、中国国民は認識において常に米中関係を最も重要な位置に据えている」と指摘した。
楊氏は「中露関係と日中関係のコントラストは、国際地政学におけるロシアの地位の上昇をはっきりと示しており、中露戦略的協力の成否が中国の周辺環境に極めて重要な影響を及ぼすことも物語っている。現時点で日中間の貿易と民間往来は中露間を大きく上回るが、全体的に見ると日中関係が次第に冷え込んでいく一方で、中露交流は日中関係を追い越してきている」と指摘した。
■中国の国際的イメージはどんどん良くなり、国民心理はより理性的に
調査では、近年中国の国際的イメージが「良くなった」との回答は7割近く(69.7%)、「悪くなった」との回答は12.3%、「変わらない」は8.6%だった。中国のイメージを損なっていることについては「一部の役人の汚職」との回答が比較的多く、27.9%を占めた。
北京大学の張頤武(じゃん・いーうー)教授は「中国の大衆の感じ方と客観的状況には一定の符合性がある。これは中国の発展が『一帯一路』沿線国と新興国において割合良い評価を得ていることを物語っている。近年西側国との間にいくつか摩擦を抱え、否定的な声も上がっているが、全体的に中国の国際的イメージは肯定的だ」と指摘した。
「中国脅威論」の問題では、反論、批判または説明をすべきと考える回答者が8割近くだった。「指摘される内容に対して、区別して対応、または批判や説明をすべき」に賛同した回答者は47.1%で、前年比2.3ポイント上昇した。「少しも躊躇せずに反論すべき」と考える回答者は31.2%で、前年比3.4ポイント下がった。「相手にしないべき」と考える回答者は8.6%で、前年比3.7ポイント上昇した。
「これは前向きな傾向だ。まず、我々は悪意ある中傷とデマに対しては、断固として反論する必要がある。他方、善意ある批判や参考にできる意義のある言論に対しては、選択的に受け入れて参考にしたり、理性的に説明することができる」。張氏は「中国の対外姿勢は決して単純化すべきでなく、より良い方法と均衡点を探り続ける必要がある」と指摘した。(提供/人民網日本語版・編集/NA)
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