Record China 2020年8月30日(日) 5時40分
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米大統領選で民主党のバイデン前副大統領が勝利した場合、北朝鮮への制裁を強める可能性がある、とロイター通信が報じた。北朝鮮は挑発行動をエスカレートさせる恐れがあるともみている。写真は北朝鮮。
11月の米大統領選で民主党候補のバイデン前副大統領が勝利した場合、北朝鮮への制裁をさらに強める可能性がある、とロイター通信が報じた。バイデン氏が勝てば、北朝鮮は核実験の再開や大陸間弾道弾(ICBM)発射などを含む挑発行動をエスカレートさせる恐れがあるともみている。
ロイター通信によると、バイデン政権になれば、米国の北朝鮮政策は金正恩・朝鮮労働党委員長との個人的なつながりを強調するものではなくなる。同盟関係や実務レベルの外交に重きを置くようになる可能性が高いというのがバイデン陣営のアドバイザーや元政府当局者の見立てだ。トランプ大統領のように、「ちびのロケットマン」と金正恩氏を罵倒したり、「ラブレター」のような親書を交わしたり、派手な首脳会談を開催することもなくなる。
バイデン氏はオバマ前政権の副大統領。バイデン氏の北朝鮮政策の一部はオバマ政権時代の「戦略的忍耐」に似たものになる可能性が高い。北朝鮮を孤立させ、挑発してきても外交的な見返りは一切与えないという政策だ。
韓国大統領府の元外交政策高官で、バイデン氏の側近と一緒に仕事をした経験のあるチャン・ホジン氏は「バイデン氏陣営のアドバイザーの多くは、以前の戦略的忍耐チームの出身者だ。彼らは同盟関係を重視し、北朝鮮政策を含め外交政策では正統的なアプローチを取る」と指摘する。バイデン政権になれば、北朝鮮はトランプ氏が突然に持ち出すような軍事行動の懸念には直面しないが、代わって「ねじを巻かれる」可能性が高いという。
一方、バイデン氏が同盟国と緊密に協調していくと約束していることは、韓国の文在寅大統領にとっては戦略が複雑化する可能性がある。文大統領は北朝鮮への関与強化と制裁の緩和に熱心だが、バイデン氏が重視する北朝鮮の人権問題は軽視しているからだ。韓国の牙山政策研究所のジェームズ・キム主任研究員はバイデン氏の戦略は「韓国との不協和音をもたらしかねない」と危ぶんだ。
「バイデン政権」に北朝鮮がどう反応するかについて、かつて米政府で北朝鮮との交渉を担当したエバンス・リビア氏は「年内に劇的な措置に踏み切ることが予想できる」と言及。「恐らくは核実験かICBMの実験で、それによってバイデン新政権が現行路線から決別しないよう警告してくる」とみる。
元中央情報局(CIA)分析官で、現在はブルッキングス研究所に勤務するジュン・パク氏は、どんな北朝鮮側の挑発もバイデン政権にとっては利用できるとの見方だ。パク氏は「核実験であれICBMの実験であれ、バイデン新政権にとっては、金正恩体制の脅威に脚光を当て、一貫した北朝鮮政策に基づいて米国が同盟国とコンセンサスや合意醸成を図れるチャンスになる」と述べた。(編集/日向)
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