Record China 2020年1月10日(金) 13時0分
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中国武漢市で発生した「原因不明の肺炎」が不安を広げている。中国メディアは新型コロナウイルスを検出と報道。香港、台湾や韓国では防止の水際作戦に乗り出した。写真は武漢市華南海鮮城(華南海産物卸売市場)。
中国湖北省武漢市で発生した「原因不明の肺炎」が周辺地域などに不安を広げている。中国当局は猛威を振るった重症急性呼吸器症候群(SARS)などの可能性は否定。国営中央テレビ(CCTV)は9日、新型のコロナウイルスを検出と伝えたが、香港、台湾や韓国では感染防止の水際作戦に乗り出した。
武漢市の保健当局などによると、この肺炎は昨年12月12~23日にかけて相次いで発生した。主な症状は発熱で呼吸困難に陥ることもある。患者は市内の華南海産物市場関係者や周辺住民に多く、市当局は1日、市場の営業を当面停止するよう命じた。5日までに59人(うち7人が重症)の患者が確認され、国営新華社通信は8日、症状が回復した8人が退院したとも報じた。
武漢市の保健委員会は3日、「インフルエンザと鳥インフルエンザ、アデノウイルス感染症などの一般的な呼吸器系疾患である可能性は排除された」と報告。その後、SARSや中東呼吸器症候群(MERS)の可能性も「排除した」としている。
中国とは陸続きの香港では2003年に中国でSARSが流行した際、299人が死亡した経緯があり、武漢市での肺炎多発を受け、香港政府は4日、感染症への警戒レベルを1段階引き上げて「厳重」とした。香港国際空港や中国の高速鉄道が乗り入れる西九竜駅で、利用客の異常体温を検知する機器と人員を増やすなど、水際の検疫態勢を敷いている。政府トップの林鄭月娥・行政長官は「政府は(水際で防止するための)必要な政策をとっている」と強調し、香港市民に冷静になるよう求めた。
台湾の中央通信社によると、衛生福利部(保健省)疾病管制署は5日、空港の検疫や医療機関に届け出を義務付ける対象範囲を拡大すると発表した。14日以内に武漢訪問歴を持ち、かつ発熱や上気道感染症が見られた患者がいた場合、肺炎の有無にかかわらず、直ちに届け出て、検体検査の実施が必要になる。軽症患者が防疫体制の抜け穴になるのを防ぐのが目的だ。
中央日報によると、韓国では武漢市に12月中旬、渡航歴がある36歳の中国人女性に原因不明の肺炎患者と同様の症状があり、保健当局が調査を開始した。女性は「調査対象有症状者」に分類され、国家指定入院治療病床がある盆唐ソウル大病院に搬送して隔離治療と疫学調査などを受けている。
韓国疾病管理本部は関連対策班を設置し、緊急状況室の24時間対応体系を稼働。中国保健当局や世界保健機関(WHO)と緊密に協力し、情報収集や危険評価を続けるほか、武漢市からの航空便国内入国者を対象に発熱監視や検疫を強化している。(編集/日向)
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