イスラエル人とパレスチナ人の赤ん坊取り違え事件扱った映画が東京で特別上映会、両駐日大使が固い握手

Record China    2013年9月30日(月) 14時20分

拡大

28日、イスラエル人とパレスチナ人の子供が病院で取り違えられた事件と、その家族の葛藤を描く映画「もうひとりの息子」の特別上映会が東京で催された。写真は左からイスラエルのルツ・カハノフ大使、パレスチナのワリード・アリ・シアム大使、ロレーヌ・レヴィ監督。

(1 / 3 枚)

2013年9月28日、イスラエル人とパレスチナ人の子供が病院で取り違えられた事件と、その家族の葛藤を描く映画「もうひとりの息子」の特別上映会が東京で催された。世界に停戦と非暴力を呼びかける「国際平和デー」(同21日)を記念したもので、来日して上映会に出席したロレーヌ・レヴィ監督は「家族とは何か。答えを出すのではなく、問いかける作品」と語った。

その他の写真

イスラエルのユダヤ人家族と、パレスチナ自治区のアラブ人家族に焦点を当てた同作。1991年の湾岸戦争時、ミサイル攻撃で病院が被害を受け、双方の赤ん坊が取り違えられた。18歳になった2人は事実を知らされて衝撃を受け、両親や兄弟にも戸惑いが広がる。民族、宗教、戦争を背景に、家族が葛藤を経て共存の道を模索する物語だ。同作は昨年の第25回東京国際映画祭でグランプリ、監督賞を獲得した。

フランス人として難しいテーマに取り組んだレヴィ監督。「私に語る資格はあるのか、と不安があった。しかし、現地で長い時間を過ごし、イスラエルとパレスチナ双方の家族にたくさん会った。撮影スタッフも混成チーム。彼らに多くのことを考えさせられ、さまざまななことを注入してもらった。全員で撮った作品だと思う」と振り返った。

また、この日はパレスチナのワリード・アリ・シアム、イスラエルのルツ・カハノフの両駐日大使も出席。シアム大使は「(パレスチナ自治区の)壁の向こうの生活は、とても厳しいと伝えたい。私たちは20年間平和について語ってきたが、今後は素早い行動が必要だ。隣国イスラエルと平和な共存ができると思う」と述べた。

作品を涙ながらに観賞したカハノフ大使は「パレスチナの大使とここに立っていることに感動している」と感無量の様子。「これまで二つの国の争いを描く映画はたくさんあったが、たいていは一方を非難する内容だった。互いを尊重し合い、共存する方法があると思う。このような楽観的な映画が、解決を模索する段階では必要」と話した。

さらに、上映後のトークショーでレヴィ監督は「親子とは何か。答えを出すのではなく、観る人に問いかけたつもり」と説明。最後に両大使と固い握手を交わし、満場の客席から拍手が送られた。(文/遠海安)

「もうひとりの息子」(2012年、フランス)

監督・脚本:ロレーヌ・レヴィ

出演:エマニュエル・ドゥヴォス、パスカル・エルベ、ジュール・シトリュク、マハディ・ダハビ、アリーン・ウマリ

2013年10月19日より全国順次公開。

作品写真:(c)Rapsodie Production/ Cite Films/ France 3 Cinema/ Madeleine Films/ SoLo Films

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携