Record China 2020年1月20日(月) 9時30分
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中国メディア・新華網は14日付の記事で、映画館の赤いシートが持つ視覚的な効果について紹介した。資料写真。
中国メディア・新華網は14日付の記事で、映画館の赤いシートが持つ視覚的な効果について紹介した。
記事は初めに、「注意深く観察すれば、多くの映画館でシートに赤色が使われていることに気づくだろう。赤はとても目立つ色なのに、シートをこの色にして映画鑑賞に影響しないのだろうか」と疑問を提起した。
そして、「この問題について多くの人が『映画館はオペラハウス(歌劇場)の名残だから』と論じている。映画は19世紀の産物で、それ以前の人々は主にオペラハウスでオペラを鑑賞していた。オペラハウスのシートが一般的に赤色だったため、映画館も当初の設計時にこの伝統を踏襲したというわけだ」とした。しかし、この説について記事は「なるほどとは思うが、決して疑問の本質を突いていない」とし、「では、なぜオペラハウスのシートは赤色が使われていたのだろう?」と続けた。
記事は、ヒトの網膜の視細胞の仕組みが関係しているとした上で、「視細胞には錐体(すいたい)細胞と桿体(かんたい)細胞の2種類があり、それらは形状だけでなく機能にも大きな違いがある。色や形を認識する錐体細胞は中心窩(網膜の中心)にあり、物体の細かな構造や色をはっきりと見分けることができる。一方で、主に明度を感知する桿体細胞は網膜周辺部にあり、暗所で物体の大体の輪郭や光度の違いを判断することができる」と説明した。
さらに、「ヒトの眼は昼と夜とで見える物体に対して違う処理をする。昼は非常に明るいため、眼は錐体細胞を用いて視覚情報を処理する。そして暗い夜になると、桿体細胞によって色を区別する。つまり、映画の前に明かりが消され、場内が暗くなると、シートの赤色は視界から素早く消え、観客は注意力をすぐに映画に向けられるようになるのだ。こうして映画鑑賞に最適な環境ができ上がる」とした。また、「赤いシートは暗い場内でスクリーンの光を反射しにくいので、映像効果が保証されることにもなる。これも重要な理由の一つだ」と論じた。
このほか、記事は「赤色は汚れに強い色でもある」と指摘。「シートが古かったり汚れていたりした場合でも、赤色であれば劇場全体が汚いという印象を与えない。もしこれが黒色なら、きっと暗く重苦しい印象を受けるだろう。こうした理由から赤色が最も適しているのだ」と結論づけた。(翻訳・編集/岩谷)
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