Record China 2020年1月23日(木) 11時50分
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武漢市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎の拡大が続く中、日本の情報番組での専門家の発言が中国で大きな注目を集めている。写真は武漢市。
中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎の拡大が続く中、日本のテレビ番組での専門家の発言が中国で大きな注目を集めている。
中国メディアの環球時報は、22日にTBS系で放送された「ひるおび」での一幕を紹介した。司会の恵俊彰が「中国政府の対応が後手に回っているのではないか」という指摘があることに触れた上で、昨年12月8日に武漢市で肺炎患者が発生してからの一連の流れを説明。その中で、恵は「今年1月9日に“ようやく”新型コロナウイルスを検出したと発表された」とし、ほかの出演者からも「ひと月かかっている」との指摘が出た。
しかし、出演していた白鴎大学教授で元国立感染症研究所研究員の岡田晴恵氏は「私はウイルス学者なんですが、すごいなと思います」と発言。「1カ月で原因ウイルスを特定して、シークエンスを全部報告して公開しているというのは、サイエンスとしてはすごいと思います。速いです」とコメントすると、スタジオでは「むしろ速いんだ」と驚きの声が上がった。
岡田氏はさらに、「CDC(中国疾病予防コントロールセンター)がありますが、中国の研究者は非常に優秀です。感染者も27人くらいで(ウイルスを)見つけていますし」「やはり1カ月で公表したというのはすごいなと思います」と述べた。ただ、「サイエンスとしては」と強調しており、政治的な対応の速さについては明言しなかった。
岡田氏の発言は、その他のメディアや中国版ツイッター・微博(ウェイボー)で影響力を持つインフルエンサーらが紹介している。新浪の微博アカウントは「司会者が中国の対応は後手と発言?日本の専門家がその場で『とても速い』」と題して伝えた。
微博上ではネットユーザーからすでに1万を超えるコメントが寄せられており、「これはシェアしよう」「外の人からこういうふうに評価されると感動するな」「中国の医学・医療関係者に“いいね”だ」「国を信じている。専門外の人は黙っていよう」といったコメントが並んだ。
一方で、武漢市や中国政府の対応については評価が割れている。「医師や科学者がすごいとしても、武漢市政府の初期対応がまずかった事実を隠すことはできない」「実際、武漢市の対応は後手だった。その他の省や市、中央政府の対応は速かったが」「科学的には極めて速い。でも、政治が絡むとどんなに速くても(実際には)遅くなる」といった指摘がある一方、「専門家も1カ月で発表したのは速いと言っているのに、微博ではまだ多くの人が武漢市政府の対応がまずかったと言っている。文句を言う人にウイルス対策をさせてみればいい」「17年前(SARSの時)と比べたらだいぶ進歩している」「今回の対応は本当に速かったよ。効率が最低の官僚も1カ月で動いた。さまざまな調整をすることは簡単ではない」と擁護する声も少なくない。(翻訳・編集/北田)
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