武漢から帰国した自国民に対する各国の扱いの違い―中国メディア

Record China    2020年2月9日(日) 6時30分

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5日、中国メディアの環球時報は、武漢から自国民を退避させた各国政府が、その後どのような対応をしているかについてまとめた。写真は中国・武漢の華南海鮮市場で販売されていた野生動物。

2020年2月5日、中国メディアの環球時報は、新型コロナウイルスの感染が拡大する中国・湖北省武漢市から自国民を退避させた各国政府が、その後自国民にどのような対応をしているかについてまとめた。

仏メディア「AFP通信」の報道によると、中国からフランスに帰国した179人の隔離施設となったのは、地中海に面した港町マルセイユ(Marseille)から約30キロの距離にあるカリールルエ(Carry-le-Rouet)の村外れの海辺にある保養施設で、隔離対象者は1日2回の検温と、看護師のチェックを受けるほかは、マスクさえしていれば、病院や診療所というよりリゾート施設のような環境で自由に過ごすことができるという。

英メディア「デイリー・テレグラフ」の報道によると、中国から英国に帰国した150人は現在イングランド北西部のマージーサイド州にあるアロウ・パーク病院の看護師宿舎に隔離されており、家具などの生活用品はそろっているという。だが、本来宿舎に住んでいた看護師たちは、2日間で部屋を開けてホテルに移動せねばならず、病院内のマスクの数も不足しているなど、現地の人々は政府の措置に強い不満を抱いているという。

記事によると、仏英両国と比べてオーストラリア政府の対応は「冷たい」という。湖北省から帰国した240人のオーストラリア人は、本土から約1500キロ離れたインド洋のクリスマス島に隔離された。同島は本来、密航船で入国を試みるボートピープルの人たちを一時収容する施設で、朝日新聞などの記事によると、高度な医療施設がない同島にオーストラリア政府は約30人の専門医療チームを派遣し、隔離中に病状が重くなった場合は、本土の医療機関に緊急搬送するという。

日本経済新聞などの報道によると、武漢から日本に帰国した565人は、千葉県勝浦市の「ホテル三日月」など4カ所の隔離施設に収容され、検査で陰性が確認されるまで最大2週間は滞在しなければならないという。滞在生活は制約があり、チャーター機の第1便の帰国者が滞在する「ホテル三日月」は、日本政府が宿泊費を負担するが、帰国者は大浴場や売店などの共用スペースの使用を控え、室内で生活するよう求められているという。また食事は、ポリ袋に入った弁当が各部屋の前に置かれ、当初は約160室のうち20~30室が相部屋だったという。個室の要望が強かったことから、日本政府は第2便以降で使う警察大学校などの施設では、冷暖房や小型冷蔵庫を備えた個室を確保したが、洗濯機やテレビ、インターネット設備はないという。

独メディア「ドイチェ・ヴェレ」の報道によると、ドイツ政府は自国民の避難のために空軍機を派遣し、武漢から102人のドイツ国民とその家族124人が帰国した。帰国後は赤十字社のサポートを受けた軍の施設内で隔離されているという。現地住民からこの措置に不満は出ていないが、新型コロナウイルスを恐れるあまり、ドイツ国内のドラッグストアではマスクが売り切れているそうだ。

米メディア「CNN」の報道によると、米国政府はチャーター機の第1便に新型コロナウイルスによる肺炎の感染のリスクが高い195人を優先的に搭乗させ、防護服を着た専門スタッフが搭乗前に全乗客の体温を測ったという。経由地のアラスカでも米疾病予防管理センター(CDC)による再検査を実施したほか、カリフォルニア州の空軍基地到着時にも検査を受けた上、3日間にわたって血液検査などを通じた診断が順次行われた。また、乗務員への感染リスクを下げるため、乗務員は中国でも飛行機から降りず、また飛行中もずっと乗務員だけ機内の階段を上がった上階部分に留まり、乗客から完全に隔離されていたという。

記事は最後に、「各国政府の対応はそれぞれ異なる。ビーチでバカンスを楽しむ帰国者もいれば、高い壁と鉄の網に囲まれた拘留生活を体験する帰国者もいるようだ」と述べた。(翻訳・編集/原邦之

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