<コラム>新型コロナウイルス対策でゴーストタウンになったマカオ

澤野勝治    2020年2月1日(土) 12時30分

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マカオは2017年の“台風ハト”でとんでもない被害を出した時と同じ政府か?と思うほど、今回は矢継ぎ早に指示を出し、コロナウイルスによる新型肺炎対策に次から次へと有効な手を打ちました。

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マカオに住んで十年と少しになりましたが、あの2017年の“台風ハト”でとんでもない被害を出した時と同じ政府か?と思うほど、今回は矢継ぎ早に指示を出し、コロナウイルスによる新型肺炎対策に次から次へと有効な手を打ちました。

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結果、中国人観光客は激減でマカオはゴーストタウン。しかしこれは仕方ないですね。前年比同月同日、80%ダウンとの事です。

人口が1億2千万人近い日本で6−7人の罹患者を出すのと、マカオ65万人の人口でほぼ同数の罹患者を出したのは、単純な比率として考えるとどうかな?と思うのですが、大陸から数千キロも離れた島国である日本と、中国とは歩いていけるマカオとでは、その条件は圧倒的に不利な地であると言えます。

しかしながら政府はまさに水際の攻防を繰り返し、何とかこの数字で留めているのです。まず最初に市民を驚かせたのが「カジノを閉める場合がある」「新年の行事は全て取り止める」という発表でした。そして国境の開放の時間短縮。湖北省の人をすぐに帰すかまたは隔離施設に入れるという判断でした。

最初は些かヒステリックにも感じましたが、その隔離した家族から罹患者が出るや、むしろニュースを見ているこちらが冷や汗をかくような思いをさせられました。無策とも感じる香港に比べたら、何とも頼もしい施策であると言えます。

また学校は2月5日からでしたが、これを2月9日に一旦、延期。最新情報では今週いっぱいは政府、銀行も休みにしました。

湖北省の人に対しては「来たければ健康であるという医師の証明書を持って来い」と言うかなり強気の要求を出しました。「病気で診断書を持って来い」は良く聞きますが、「健康を証明しろ」はあまり聞いた事がありません。しかも潜伏期間が長いとあってはどの医者もそんな診断書は書けません。結果、誰も入って来れず。つまり新規入境者を入れなかったのが、ウイルスの拡散防止に繋がったのだと思います。

つまりマカオ政府は「入って来させないためにどうしたら良いのか」というテーマを練りに練った感じがアリアリと出ているのです。

いみじくも高須先生がTwitterで「日本に於いては防げた感染だった」と、医師としての悔しさを滲ませておりましたが、この状態でも中国人の入国をついぞ止めなかった日本国政府の施策はクビを傾げざるを得ません。

市(国)民を護る。

この一つのテーマに対し、マカオと日本は真逆の対応を見せたと言えると思います。

■筆者プロフィール:澤野勝治

1964年生まれ。1983年に音楽制作プロダクション、1994年制作プロダクションを設立。大手広告代理店の協力会社として中国モータースポーツに関わる。上海の台湾系レース会社で働いた後、マカオへ移住し結婚。レーシングサービス会社と一般ビジネスのサポート会社を設立。中国をはじめとするアジア圏での日系自動車メーカーのリサーチや日本車の現地適合テスト等も請負う。中華圏で最初のF1チーム・セオドールレーシング(1977-1983年)のセカンドジェネレーションチームを2013年に立ち上げ現在に至る。現在は新世代ゲームのプロジェクトに参画し、マカオ・台湾・日本での共同プロジェクトのオーガナイズをメーンに各種コンサルティング業務を展開している。

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