人民網日本語版 2020年2月5日(水) 12時40分
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湖北省武漢市で、新型コロナウイルス感染による肺炎患者を治療する初の専門仮設病院である武漢火神山医院が完成し、今月2日に、正式に解放軍の湖北支援医療チームに引き渡された。
湖北省武漢市で、新型コロナウイルス感染による肺炎患者を治療する初の専門仮設病院である武漢火神山医院が完成し、今月2日に、正式に解放軍の湖北支援医療チームに引き渡された。敷地面積約5万平方メートル、総建築面積3万3900平方メートルの病院をわずか数日で完成させるというのは決してたやすいこととは言えない。
コロナウイルス感染拡大との、一刻の猶予も許されない戦いに、6000人以上の作業員が参加して24時間態勢で同病院を建設。大型機械や設備、車両約1000台が投入され、「中国の力」、「中国のスピード」が再び発揮された。
中国建築第三工程局有限公司の火神山医院プロジェクト技術グループ現場責任者の瀋▲氏(▲は金へんに皆)は、「これほど大規模な病院の建設の場合、通常なら少なくとも1カ月はかかるが、今回はわずか10日間とその工期は非常に厳しかった。そのため作業員を2つのグループに分けて、交代で作業した。設計者は睡眠時間わずか2時間、徹夜で作業というのも当たり前だった」と説明する。
2003年にSARSが流行した際に対応に当たった医療専門家は、「実行不可能に見えるミッションの背後には、コロナウイルス感染拡大が極めて深刻な現状がある。指定医療機関のベッド数は増え続けているが、コロナウイルス感染の拡大速度に全く追い付いていない。SARSとの闘いの経験を基に、新型コロナウイルス感染による肺炎患者を専門に治療する病院を建設した。現有の病院の負担を大きく緩和し、院内感染を減らすことができるだろう。さらに重要なこととして、同病院の運営が始まれば、社会のパニック状態を緩和することもできるだろう」との見方を示す。
2003年4月、北京市に短期間のうちに病床数1000床を有する仮設病院「小湯山医院」が建設され、2カ月の間に、中国全土のSARS患者の7分の1を収容した。そして、治療とケアに関与した医療スタッフは1人も感染しなかったという人類医学史上の「奇跡」を起こした。
伝染病専門病院として、部屋の配置の構造から下水管に至るまで、さまざまな部分で非常にシビアに感染防止対策が講じられた。火神山医院は、そんな小湯山医院という「偉大なる基礎」の上にたち、設計・建設された。同病院は主に、感染が確認された患者の治療に当たり、病床数は1000床。集中治療室(ICU)、重症者病棟、一般病棟のほか、感染予防管理や検査、特定疾病診察、放射線診断などの補助部門も設置されている。
厳格なエリアごとの隔離
院内感染を回避するため、それぞれのエリアがしっかりと隔離することで、医療スタッフの健康と、安全を守る最大限の努力が払われている。
病室を「マスク」で覆う
各病室は地面から30センチ離れた高さで建設されており、各病室にトイレが設置されている。ほとんどの病室は、外より気圧が低い陰圧室となっており、室内の空気や細菌が外部に流出して院内感染を引き起こさないようにするなど、病室全体を「マスク」で覆った構造となっている。
汚水を集中処理
汚水は集中処理される。同病院には、雨水や汚水の処理システム、換気システムが設置されており、消毒・殺菌、濾過処理により、基準に到達させてから排出される。また、高密度ポリエチレンが、病院全体5万平方メートルにわたって敷設され、汚染物質が土壌や水域に流出することがないよう設計されている。
火神山医院の建設状況がネット上でライブ配信され、ネットユーザー数千万人が視聴した。建設現場が、数千万人が見守る注目の的となるというのは、前代未聞のことだ。ネット上では、「これは単なる建設現場のライブ配信ではなく、コロナウイルスとの闘いにおける希望をもたらしてくれる。少しでも早く完成することをみんな願っている」といったコメントが、毎日のように寄せられていた。
ある海外のネットユーザーは、「昼夜問わずユンボの大軍、作業員が働き、武漢に次々に物資が輸送されている。国全体が闘いの準備を進めており、その速度は驚くべきものだ」とのコメントを寄せている。
世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム・ゲブレイェスス事務局長は、1月31日にスイス・ジュネーブで開いた記者会見で、「こんな動員の仕方は未だかつて見たことがない。多くの人が注目しているのは中国が10日間で大きな病院を建設しているということかもしれないが、中国が講じている対策は単にそれだけにとどまらない。この対策が、コロナウイルスとの闘いの情勢を好転させると信じている」と語った。
火神山医院が完成すると、作業員や設備はすぐに次の現場へと向かい、同じく新型コロナウイルス感染による肺炎患者を治療する専門仮設病院「雷神山医院」の建設に当たっている。彼らの戦いはまだまだ続いているのだ。
習近平中央軍事委員会主席の認可を経て、軍隊が選出した医療スタッフ1400人が、今月3日から、「火神山医院」で、新型コロナウイルス感染による肺炎患者の治療に当たっている。小湯山医院でSARS患者の治療に当たったり、シエラレオネやリベリアでエボラ出血熱の患者の治療を援助した経験があるなど、伝染病治療において経験豊富な医療スタッフが多いという。(編集KN)
「人民網日本語版」2020年2月5日
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