Record China 2020年2月8日(土) 18時20分
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米海軍が潜水艦に小型核弾頭を実戦配備した。韓国紙は「事実上の戦術核」と指摘。専門家の「北朝鮮の地下施設を破壊するのに1発で十分」との見方を紹介した。写真は潜水艦。
2020年2月7日、米海軍が潜水艦に小型核弾頭を実戦配備した。米国はロシアや中国などを念頭に攻撃された際に反撃できる「使える核」として小型核の開発を進めてきた。韓国・中央日報は「事実上の戦術核」と指摘。専門家の「北朝鮮の地下施設を破壊するのに1発で十分」との見方を紹介した。
米メディアによると、米国防総省は4日、爆発力を抑えた低出力の核弾頭「W76‐2」を搭載した潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を海軍が実戦配備したと発表した。これまでの核弾頭の爆発規模はTNT火薬換算で約90~100キロトンだが、W76‐2は広島に投下された原爆(約15キロトン)より威力が小さい5キロトン級とされる。米空軍が戦闘機や爆撃機などに搭載する戦術核爆弾「B61」よりも弱く、中央日報によると、21世紀軍事研究所のリュ・ソンヨプ研究委員は「W76‐2は事実上の戦術核」と評価した。
SLBMは発射から着弾までのスピードが速く、敵のミサイル防衛網を突破しやすいとされる。国防総省はW76‐2の具体的な配備先を明らかにしていないが、全米科学者連盟のハンス・クリステンセン原子力情報事業所長は自身のブログで「昨年12月、ジョージア州キングスベイ海軍潜水艦基地から新型W76‐2核弾頭を搭載したオハイオ級原子力戦略潜水艦テネシーが出港した。テネシーのSLBM20発のうち1,2個がW76‐2と推定される」とコメントした。
米国は2018年2月の核戦略体制見直し(NPR)で「米国の局地核抑止能力が弱まったため、これを悪用できるという誤解を防ぐため」として、W76‐2のような低出力核弾頭の開発を予告した。SLBMはもちろん長期的にはBGM-109トマホーク潜水艦発射巡航ミサイル(SLCM)にもこの弾頭を搭載する計画だ。
W76‐2の主な目標はロシア。米国は昨年8月に中距離核戦力(INF)全廃条約から脱退したが、ロシアが米国の廃棄発表前、INFを巧妙な方法で破ったというのが米国の認識だ。その一方で中央日報は目標について、クリステンセン所長がロシア以外にも「北朝鮮とイランを含めて他の敵に使用する可能性もあるという点は明白と指摘した」と伝えた。
同紙は「特に北朝鮮の地下施設を破壊するにはW76‐2ほど効果的な武器はない」と説明。「北朝鮮は6000カ所以上の地下施設を構築している。593部隊、667部隊、744部隊など洞窟を専門的に掘る軍部隊もある。核や大陸間弾道ミサイル(ICBM)のような戦略兵器はほとんど地下施設に隠していると推定される」と言及した。リュ・ソンヨプ研究委員は「W76‐2はバンカーバスターやGBU-43空中爆発大型爆弾(MOAB)より威力が強いため、北の地下施設を破壊するのに1発で十分だろう」と話したという。(編集/日向)
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