石川希理 2020年2月21日(金) 23時20分
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個人主義というのが欧米のスタイルである。狩猟民族というのが基本的にある。ジジ・ババ・父・母・子・孫という大家族で「農作業に勤しむ」というスタイルは少ない。資料写真。
「妻に会いたい」「妻に会えぬのは人権侵害だ」
カルロス・ゴーンの、違法出国理由の一つである。
妻も犯罪に荷担している。何せ巨額の金が絡む。だから妻に会わせられないというのが我が国の理由だ。
だが「妻に会わせてもらえない」という理由は欧米では、よく理解される。「妻に会わせない」ということが、日本の感覚よりはるかに強い。妻も犯罪者と言うことを良く理解してもらわないと、「会わせない」だけが一人歩きをする。
個人主義というのが欧米のスタイルである。狩猟民族というのが基本的にある。ジジ・ババ・父・母・子・孫という大家族で「農作業に勤しむ」というスタイルは少ない。
つまり核家族が歴史的スタイルである。夫婦と子どもというのが社会的な基本的家族像だ。
日本も最近はこの核家族が増えてきた。ただ、もともと拠って立つ歴史が違うので、夫婦という単位は、夫優位であり、しかも最近は薄れているとは言え祖父母とのつながりもまだ深い。
この辺りは中国や朝鮮とも類似している。
もちろん、中国・朝鮮の場合は日本に比してはるかに大家族、祖父母の力が強い。儒教の影響も残っている。
都市部などで核家族が増えても、背後に祖父母の影が濃い。
だが、アメリカなどでは、あくまで夫婦が基礎である。夫婦のことを英語でMarried coupleとかhusband and wifeとかいう。
興味ある言い方もある。 Better Halfである。
配偶者、妻、夫、伴侶の意味だが「妻」の意で使われる事が多い。直訳すると「よりよき半分」である。「自分の存在の大半を占めるほど親しい人」ということだ。
私はロマンチックに解釈している「より善き半分」が好きだ。
「夫婦で一人前の人間」と言うことだ。正しく言うと「夫婦で一人前の人間が理想だなあ」ということだろうか。
失礼ながら夫婦でも半人前の場合もあるし、独身でも一人前どころか、二人前、三人前の人もいる。
しかし、この「ベター・ハーフ」。欧米の夫婦観を表している。カップルも二者ひと組の意味だから、社会の構成単位としての意味合いが強い。
10年ほど前、私があるツアーで、アメリカからカナダへ入国しようとしたとき、ひと組の親子が調べられた。
ガイドの説明では、こう言う海外旅行は夫婦単位が多いそうで、親子は少ないらしい。
そういう状況の中で、娘さんのパスポートの写真が若すぎて不審に思われたらしい。
アジア人の顔の年齢判別は欧米の人には難しいだろう。それに当時、親子に扮して、密入国そして逃亡という事件も多かった。
ツアーメンバー30名ほどが20分ほど待たされたが、なんとか証明できて事なきを得た。
改めてガイドが「基本的に夫婦単位がこちらの習慣なんです」と説明していた。
なるほど結婚式で「死が二人を分かつまで」というのも、アダムとイヴから始まったキリスト教的夫婦観として、頷ける話である。
欧米とアジア、東アジアというのは、こう言う社会的基礎集団、ドイツ語でゲマインシャフトというものの、大枠の内容の捉え方が異なるらしい。
異文化理解、相互理解は難しい話だが、こんなことも考えておく必要があるようだ。
■筆者プロフィール:石川希理
1947年神戸市生まれ。団塊世代の高齢者。板宿小学校・飛松中学校・星陵高校・神戸学院大学・仏教大学卒です。同窓生いるかな?小説・童話の創作と、善く死ぬために仏教の勉強と瞑想を10年ほどしています。明石市と西脇市の文芸祭りの選者(それぞれ随筆と児童文学)をさせていただいています。孫の保育園への迎えは次世代への奉仕です。時折友人達などとお酒を飲むのが楽しみです。自宅ではほんの時折禁酒(笑)。中学教員から県や市の教育行政職、大学の準教授・非常勤講師などをしてきました。児童文学のアンソロジー単行本数冊。小説の自家版文庫本など。「童話絵本の読み方とか、子どもへの与え方」「自分史の書き方」「人権問題」「瞑想・仏教」などの講演会をしてきました。 ブログはこちら
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