人民網日本語版 2020年2月24日(月) 8時0分
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新型コロナウイルスによる肺炎が発生して以来、中国の多くの企業が産業の方向性を迅速に調整し、マスクや医療用防護服といった医療物資の生産に転換した。これは新型肺炎との闘いの中で力強いサポートを提供している。
新型コロナウイルスによる肺炎が発生して以来、中国の多くの企業が産業の方向性を迅速に調整し、マスクや医療用防護服といった医療物資の生産に転換した。これは新型肺炎との闘いの中で力強いサポートを提供している。専門家は、「企業の迅速な生産転換は市場ニーズを反映しているだけでなく、企業の民族精神と向上を続ける中国の製造能力の現れでもある」との見方を示した。中国新聞社が伝えた。
生産転換を行った多くの企業の中では、国有企業が牽引役と言える。これまで不織布を生産していた中国機械工業集団有限公司(国機集団)傘下の恒天嘉華非織造有限公司は春節(旧正月、今年は1月25日)の翌日から生産を再開し、医療用マスクの生産に転じた。これまで軍需品を製造してきた新興際華集団有限公司は春節連休期間に設備を大急ぎで購入し、昼夜兼行で医療用防護服の生産を行っている。もともと化学防護服を手がけていた中国化工集団有限公司傘下の中国化工集団曙光橡膠工業研究設計院有限公司(曙光院)は、繰り返し使用できる医療用防護服をたったの55時間で開発した。中糧生物科技股フン有限公司(フンはにんべんに分)はエタノールと白酒(蒸留酒)の生産の優位性を活かして、医療用アルコールの生産に切り替え、市場に累計1万トン以上の消毒用アルコールを供給した。
「国有企業が医療物資への生産転換で最前線に立っているのは、国有企業のもつ特徴と社会的責任によって決まったことだ」。中共中央党校(国家行政学院)の張春暁(ジャン・チュンシャオ)研究員は、「春節連休期間は、感染対策のカギとなる時期でもあり、多くの企業が休み中だった。この時期には国有企業が、特に中央企業(中央政府直属の国有企業)が物資生産の重大な任務を担わなければならなかった。また、各レベル国有資産監督管理当局が感染対策指導チームを発足させ、国有企業を統括して作るべきものは作り、生産転換できるところは早急に転換して医療用防護物資を生産するようにした」と述べた。
国務院国有資産監督管理委員会の任洪斌(レン・ホンビン)副主任は18日、「現在、新興際華集団が毎日生産する医療用防護服は4万5000万セットに達し、全国の総生産量の3分の1以上を占める。国機集団、中国石化、兵器工業(中国兵器工業集団公司)は医療用マスクを毎日合計130万枚生産し、医療物資の供給を保障する上で積極的な役割を果たしている」と述べた。
国有企業だけでなく、各種企業も生産ラインの調整を急速に進めている。たとえば自動車メーカーの上汽通用五菱汽車股フン有限公司、杭州汽車集団股フン有限公司、比亜迪股フン有限公司はマスク生産への転換を発表。比亜迪は「2月末までにマスクの1日あたり生産量は500万枚に達する見込み」としている。富士康科技集団を初めとするテクノロジー企業の多くもマスク生産をスタートした。
このほか、数多くの衣類、衛生用品、日用化学品メーカーも生産転換を開始した。統計によれば、1月1日から2月7日までの間に、4000社近い企業が経営範囲に「マスク、医療用防護服、消毒液、温度測定器、医療機器」などの業務を加えた。
これほど多くの企業が医療物資への生産転換を行ったのはなぜか。中国企業研究院の李錦(リー・ジン)首席研究員は、「1つはマスク需要の大きさがもたらした市場チャンスに促されたということがある。もう1つは政府が一部の企業がマスク生産分野に進出するよう奨励し、医療物資生産企業に付加価値税の減免、土地税の減免、貸出金利の引き下げ、償還期間の延期を認めるなどの支援政策を打ち出したことがある」と説明した。
張氏は、「統一的調整配置の下、自発的に生産転換を行った民間企業もある。新たな設備を購入するには大量の資金を投入する必要があり、こうした企業の生産転換は民族的精神の現れでもある」と述べた。
国家発展改革委員会が発表したデータによると、2月11日現在、マスク生産能力の利用率は94%、第一線の対策で早急に必要とされるN95マスクの利用率は128%で、対策初期の医療物資不足がかなり解消されたことがわかる。
専門家は、「企業が大量生産を実現し生産能力を急速に構築していく姿には中国製造業の水準の向上も反映されている」と述べた。
中国製造業の規模は世界トップで、世界で最も整った産業チェーンを有し、中国は世界で唯一、工業分類のすべてをカバーする国だ。世界の主要工業製品500品目あまりのうち、中国の生産量が世界一の品目が220を超える。
張氏は、「例を挙げると、新興際華などはもともと特殊設備を製造する企業で、労働集約型の医療用防護服への生産転換は容易なことだ。医療用物資の多くは労働集約型であり、中国は長年にわたる発展を経て、製造業の水準が産業チェーンのローエンドからミドルエンドへと移っている。これは現在の多くの中国企業がスムーズな生産転換を行えたことの社会的な背景だ。このほか生産転換した大半の企業が医療物資の生産と何らかの関連性をもっていた。関連する産業チェーンも生産転換における必要条件だ」と述べた。
また張氏は、「今回の感染対策の中での医療物資生産には中国が先端製造業でまだ足りない部分を多く抱えていることも反映されており、中国は産業の能力をさらに高め、ハイエンドの方向に向かって邁進し、全産業チェーンを構築する必要がある」と提起した。
任氏も18日、「現在、中国ではマスク・防護服生産用機器は『なかなか手に入らない』状態で、この問題を解決するために、国機集団や中国通用技術集団(股フン有限責任公司)といった国有企業が迅速に開発・生産を展開しており、国機集団のプリーツマスク生産設備は2月末までに量産を実現すると同時に、開発中の医療用N95マスク生産設備とプロッダーも製造現場に早期に投入される見込みだ」と述べた。
国務院発展研究センター産業経済研究部研究室の魏際剛(ウェイ・ジーガン)室長は生産転換を進める企業について、「企業は医療物資への生産転換で新型肺炎と戦うと同時に、市場の変化に基づいて速やかに戦略を調整し、長期的な位置づけをしっかりと行い、産業の水準を絶えず高め、企業の質の高い発展を実現するようにも心がけなければならない」と提案した。(提供/人民網日本語版・編集/KS)
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