Record China 2020年2月28日(金) 10時0分
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26日、中国メディアの国際金融報は、東京五輪が中止になった場合、日本経済はその重みに耐えられないかもしれないとする記事を掲載した。写真は東京。
2020年2月26日、中国メディアの国際金融報は、東京五輪が中止になった場合、日本経済はその重みに耐えられないかもしれないとする記事を掲載した。
記事は、日本でも新型コロナウイルスの感染が拡大している中、国際オリンピック委員会(IOC)のディック・パウンド委員が、東京五輪を開催するかどうかの判断の期限を「5月下旬になる」とし、そのころまでに事態が収束しなかった場合は中止を検討するとの見方を示したことを伝えた。
これに対し、橋本聖子五輪担当相が、「IOCの公式見解ではない」と説明。記事は、橋本五輪担当相や菅義偉内閣官房長官などが東京五輪は予定通り開催すると何度も表明していると指摘した。
このことについて、上海対外経貿大学の日本経済研究センターの主任で全国日本経済学会副会長の陳子雷(チェン・ズーレイ)氏は、「五輪を予定通りに開催できなければ、日本は政治、経済、国際的地位のいずれも大きな影響を受けるので、日本政府は五輪開催を諦めることはないだろう」との見方を示した。
しかし、別の角度から見ると、IOC委員の発言は日本政府に圧力を加えていると陳氏は分析。「日本政府が早く五輪開催のための良好な雰囲気をつくり出し、経済、社会、政治、公衆衛生の分野で人々の心配を取り除くように促していると見ることができる」という。
その上で記事は、「日本は今回の五輪開催のために7年間の準備期間と100億ドル(約1兆1000億円)以上の費用を費やしている」と指摘。1964年の東京五輪の時には「オリンピック景気」と言われた好景気をもたらしたため、今回もその経済効果に期待がかかっていたとしている。
この点について陳氏は、「五輪が中止になると、『五輪効果』も消えてしまう。日本は昨年10月に消費税を8%から10%に上げており、個人消費が落ちているため、政府は東京五輪を通して消費を拡大させ、同時に国内企業の投資と不動産投資を促したいと考えていた」と指摘した。また、「五輪で訪日外国人による旅行業界の収入増加が見込まれるが、中止になるとすべてが泡となり、今年の日本経済は全面的に後退する可能性がある」と分析した。
記事によると、日本経済が後退した場合、日本政府や日本銀行が取ることのできる対応策には限りがあるとの声も聞かれたという。陳氏は、「日本銀行の金融政策の調整幅は空間が大きくはなく、短期的な目標のために財政政策を強めてしまうと、日本の公共債務の負担がさらに重くなる」と指摘。財政政策が経済回復の効果的な起爆剤となるかどうかは観察が必要だとしている。
陳氏は続けて、「現在の日本の財力では、財政政策や金融政策において強力な調整を行うことができないため、政府は正確で効果的な調整が求められる。具体的な政策と方法は、非常に細かくて科学的かつ合理的である必要があり、難易度は極めて高い」と論じた。(翻訳・編集/山中)
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