日本アジアから世界をリードするAI企業へ、米中に続く第3極めざす=ニュース重視不変―川邊ヤフー社長

Record China    2020年2月28日(金) 5時40分

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Zホールディングス(ZHD)の川邊健太郎社長(ヤフー社長)が「日本・アジアから世界をリードするAI・IT企業へ」をテーマに講演。LINEとの経営統合によって米中に次ぐ第3極を目指す考えを明らかにした。

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2020年2月26日、「Yahoo!JAPAN」などの事業を展開するZホールディングス(ZHD)の川邊健太郎社長(ヤフー社長兼任)が「日本・アジアから世界をリードするAIテックカンパニーへ」をテーマに日本記者クラブで講演した。ネット市場では米「GAFA」と呼ばれる巨大IT企業(グーグルアップルフェイスブック、アマゾン)や中国のアリババ集団、テンセントなど、米中が圧倒的な規模を保持していると指摘した上で、LINEとの経営統合によって米国、中国に次ぐ第3極を目指す考えを明らかにした。

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Zホールディングス(ZHD)とLINEは2020年10月までに経営統合することで基本合意している。両社の通期売上高を単純合算すると約1兆1600億円で、楽天(18年12月期に1兆1千億円)を上回り、国内ネット企業で首位となる。時価総額はZホールディング(2.1兆円)とLINE(1.3兆円)を合わせ3.4兆円に達する。月間利用者数は合わせて1億5000万を超える。昨年11月に経営統合を発表した際、統合後は人工知能(AI)を軸とした中長期の技術開発などに年1千億円規模を投じる方針を表明した。

川邊社長は講演の中で、「グローバル・IT巨大企業の日本進出によって日本の国産IT企業が埋没する危機的状況にあり、IT企業だけでなく日本の産業そのものの危機である」と危機感を露わにした。

同社長によると、米「GAFA」は医療・介護、AI次世代家電、自動運転、スマートバイオ、宇宙、AI次世代ロボット、スマートシティ、フィンテック(金融工学)など様々な重点産業分野で、日本に進出。リアルデータの収集を展開している。中国のBAT(バイドゥ、アリババ、テンセント)なども存在感を増している。ZHDと LINEを合わせた時価総額、営業利益や研究開発費はこれら巨大企業に比べ桁違いの少なさで、「大きく見劣りする」という。

コンテンツ制作費用でも「米大手IT企業に大差をつけられている」と指摘。例えば米映像ストリーミング配信企業・ネットフリックスの2020年のコンテンツ投資額は1.9兆円とNHKの約0.3兆円、民放各社の約0.1兆円に比べ巨額に達しているという。

また川邊社長はビッグデータの利活用に注力するとし、(1)顧客のサービス利用を通じて生まれたデータは顧客のものとする、(2)全てのデータは日本の法令に基づき運用する、(3)サイバーセキュリティーを高めデータを守る―などの3原則を堅持する方針を打ち出した。

さらに、少子高齢化、労働力の減少、自然災害、地方の過疎化など「課題先進国・日本」の課題解決優先的に取り組む決意を表明した。「労働力の減少」への、取り組み例としてPAYPAY(キャッシュレス決済システム)の普及活用により、現金受け渡し、支払管理、銀行での出入金・両替などの煩雑な作業を解消し、店舗や企業の業務効率化に貢献できることなどを挙げた。

またビッグデータやAIを活用して、災害時の隠れた避難所を可視化することによって、安全な避難や支援物資の提供に生かすことも可能になるという。その上で川邊社長は「高齢化が進み災害が多い日本とアジア諸国の共通点を生かし、日本発の少子高齢化や災害などを解決する手段をアジアに提供したい」と語った。

このほか、川邊社長は主力のヤフー・ニュースについて「私はニュース部門が長かったので重要性を理解している」と言明。全体のネット広告は新聞やテレビを既に上回っていることを強調した。ネットニュースの世界ではAIが自動的にPV(ページビュー)が取れそうなニュースを選択する傾向もあるようだが?との質問に対し、「ニュース見出しの上位6本は公共性を考慮して人が選んでいる」と答え、収益至上主義を否定した。(八牧浩行

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