戦前の「英語廃止」の非合理な要求をして騒ぎ立てた時と異なり、日本は戦後、英語教育に対していまいち盛り上がらない方法を採用し、より理性的に考えるようになっている。英語を学生の素質を図る絶対的指標としないため、日本の人材資源はさらに有効利用できている。2008年のノーベル物理学賞を受賞した益川敏英氏は、受賞のあいさつの一言目に「I can not speak English(英語は話せません)」と話したのは謙遜ではない。学生時代はどんなに英語を勉強してもできなかった益川氏は、有名になった後でも英語で自分の名前をつづるのもうまくできない。ある取材で「(ノーベル賞を受賞したら)必ず英語で講演しなければなりませんが、どうしますか?」と聞かれ、益川氏はきっぱりと「なら、(ノーベル賞は)いらないよ」と答えた。このように英語が苦手な物理の天才が埋没しないことは、まったくもって日本の柔軟性のある教育体系の優れたところだろう。
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