Record China 2013年11月1日(金) 17時50分
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ありがたいことに「中国には日本のゆるキャラは伝わっているのでしょうか?」という質問をいただいておりますので、今回はそれについてを。
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まずゆるキャラの個別のキャラに関しては一応伝わっているようで、「ひこにゃん」や「くまもん」といった有名所も認識されている模様です。しかし、「ゆるキャラ」というジャンルに関してとなると急に怪しくなってきます。
実は中国では「ゆるキャラ」というジャンルではなく「吉祥物」という、中国語で言う所の「マスコットキャラクター」として扱われてしまっているようです。中国のネットで見かける「ゆるキャラに関するやり取り」についても、以下のような感じでした。
▼中国人オタクの雑談
ちょっと教えて欲しいんだけど、「ゆるキャラ」ってどんなものなんだろう?中国語でどう解釈すればいいかな?日本のニュースとしてちょっと紹介したいんだ。
「ゆるいマスコットキャラクター」の略で「ゆるキャラ」だからカワイイ吉祥物(マスコットキャラクター)だな。
扱いを見た感じでは普通にマスコットキャラクターだと思っておけば問題無いだろ。
「ゆるキャラ」ってのは国や政府機関、公共機関が展開する各種活動や宣伝において用いられるマスコットの呼称の一種。だから中国語だと「吉祥物」とするのが妥当だろうね。
宣伝活動用のマスコットなのは分かるけど、なんで「ゆる」がついているんだろう。萌えを狙ったネーミングの一種なのだろうか?
「揺る」から来てるんじゃないの?揺れる動作が萌えだとかで。
張りつめていないという意味の「緩い」じゃないの?マスコットのゆっくりとした動作や、弱々しい、言ってみれば少々のろまな所がある種の安心感や可愛さを演出するということなんじゃないかね。
これはあくまで個人的な意見だけど、「ゆるい」という単語をつけたのはその言葉が「リラックスする」印象を与えるからなんじゃないかな。
えーと…「ゆるキャラ」を中国語にきちんと訳して伝えるのは確かに難しい。あの感覚をどう訳せばいいのか…私は以前日本旅行をした時にゆるキャラを見かけたんだが、見ればなんとなく「ゆるキャラ」という意味が分かるんだよ。普通のマスコットとは違うんだが…どう説明すればいいのか。あと、炎天下でも活動を続けるゆるキャラの中の人はわりと本気でスゴイと思った。
▼ゆるキャラの空気感が伝わらない
ゆるキャラの情報やそれに関するやり取りはオタク系の所だけでなく日本文化関係の所などでも見かけるのですが、そういった所での反応を見る限りでは、ゆるキャラの定義に関する情報や代表的なキャラについてはそれなりに認識されているようです。
しかし日本国内でのゆるキャラの扱いや、周辺の反応、イベントの空気までは分からないようですし、ゆるキャラの中には案外機敏に動くのがいたり、フリーダム過ぎて話題になるのがいるというのも伝わっていない模様です。
また、自分からゆるキャラの情報を探してみても、「ゆるいマスコットキャラクター」という名前の定義にぶつかり、「結局はマスコットの一種」という認識で止まってしまうことも多いようです。
日本関連のニュースでは個別のゆるキャラや、ゆるキャラコンテストなどの情報も中国に入ったりはしているようなのですが、今の所そのほとんどが翻訳を通すと「吉祥物」というマスコット扱いになってしまっているので、日本のゆるキャラに関する感覚や、流行りというのはほぼ伝わっていない模様です。
例えば「ゆるキャラグランプリ」も「日本吉祥物大賽」と紹介されてしまうようですね。
▼見れば魅力は伝わる?リラックマは中国でも人気
ゆるキャラに関しては実際に日本に来た中国オタクの人が、そこら中に出没しているくまもん関係のグッズや表示に驚いたり、実物やテレビでの扱いを見て盛り上がり具合に納得して帰ったりしていますし、私が仕事で知り合った中国オタクの人の中には「ふなっしーは良い。船橋在住の人間としてはふなっしーを応援してしまう!」なんて人もいます。
こまくら、リラックマ
更にゆるキャラではありませんが、「ゆるい」方向性のキャラである「リラックマ」が中国本土でも大人気になっていますし、中国の感覚でゆるキャラのノリが理解できないわけではないかと思います。
しかし日本におけるゆるキャラに関する盛り上がりを認識するルートが現状ではほとんど無いというのもあってか、各ゆるキャラに関する情報は入っているものの「ゆるキャラ」というカテゴリで認識されているわけではないようですし、ゆるキャラに関して中国では「個別の企画やマスコットといった認識をされている」状態なのではないかと思われます。
とりあえず、こんな所で。
■筆者プロフィール:百元籠羊
90年代から中国現地校に通い、当時中国人の対日感情がどんどん悪化していく中で予想もしなかった「日本のアニメや漫画、オタク文化が好き」な中国人達と遭遇。以後、オタクな中国人との交流が続いている。中国における日本のオタクコンテンツやいつの間にか広まっちゃった日本のオタク文化に対する反応、オタク分野の交流等についての情報を発信するブログを運営中。
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