中国メディアの紅星新聞は4日、新型コロナウイルスの感染拡大が深刻なイタリアで、複数の中国系住民がマスク着用に関する苦悩を訴えたと報じた。

記事によると、中部のマルケ州で中国語学校を営むある男性は、「新型肺炎がますます深刻化し、人々に不安が広がっている。ただ、日用品は大した問題ではない」と説明。感染拡大を受け、中国系住民らはマスク着用、外出の自粛、休業・休校に気を配っているが、イタリア政府は「マスクは病気になってから。休業・休校の必要はない」との立場を取っており、こうしたズレが「マスクをするか、しないか」という中国系住民の悩みを生んでいるのだという。

また、貿易関係の仕事に就く別の男性は「多くのイタリア人はマスクを着けない。中国系住民がマスクをすれば非難を浴びてしまう」と発言。買い物中、周囲にマスク姿のイタリア人がいないことに気付いた男性は、着けていたマスクを外しポケットにしまったそうだ。

ローマ在住の男性も「イタリア政府の防護措置にはまとまりがない。一般市民にマスク着用が必要かどうか、これが今、最も大きな問題の1つ」と訴え、「少し前にマスクを準備したが、状況が深刻化して余裕がなくなった。今できることは自分と家族をしっかりと守ること」と話したという。（翻訳・編集/野谷）