Record China 2020年3月11日(水) 16時20分
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中国メディアの解放日報は11日、中国の空港を訪れた日本人の旅客が、ボランティアの言葉に思わず目を潤ませる場面があったと伝えた。
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記事によると、上海虹橋空港の第1ターミナルでは日本と韓国からの旅客専用のレーンを設置。出口で通訳のボランティアらが説明や案内に当たっている。日本語が堪能な馬荃(マー・チュエン)さんは、7日昼に「空港で急ぎ通訳が必要」との話を持ち掛けられ、二つ返事で応じた。午後2時には現場に到着したという馬さんは、「医療スタッフのように防護服を着てウイルスと闘う現場に身を投じることになるなんて、考えたこともなかった」と感慨深げに語ったという。
他の2人のボランティアと共に通訳を始めた馬さん。つたない中国語で「私も隔離されますか?」と尋ねてきた女性に、「全員が集められて隔離されるわけではありませんよ」と丁寧に応対しながら、担当の空港スタッフの元へと案内した。厳重な検査を通過して出てきたら今度は防護服を着た人が密集しているという状況に、マスク越しでも(旅客の)戸惑いの表情が見てとれたという。馬さんは「『こんな光景は映画でしか見たことがないよ』と言う人もいました。でも、私たちが日本語を話すのを聞いて、すぐに安心してもらえたようです」と話した。
馬さんがこれまで接してきた日本人の多くは内向的で、初対面の人に感情を見せることは少なかったというが、通訳のボランティアを初めてから日本人への見方が変わったそうだ。ある旅客は「前は日本の方が中国よりサービスが良いと思っていましたが、(空港で)一人ひとりに丁寧に応対してくれたり、しっかりと管理してくれたりしたことが印象深かったです」と話したという。
また、別の日本人男性は「上海は自分の家のようで安心します」と話し、平時よりも入国に時間がかかったことについても「事前に調べていたので驚きはしなかったです」と動じなかったそう。男性と一緒にいた女性は「(ボランティアの)日本語の『お帰りなさい』という言葉を聞いて、目が潤みました。泣きそうになりました」と話したという。
記事は、「女性の手にはスタッフが渡した温かいお湯が握られていた。何度もカップをさするようにして、その温かさを感じているようだった。きっと彼女の心も温かかっただろう」と伝えた。記事によると、虹橋空港と浦東空港の上海2大空港では、馬さんのような通訳スタッフが深夜まで稼働しているという。
中国は旅行などで訪問した日本人の15日以内の滞在についてビザ(査証)を免除しているが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて10日午前0時(現地時間)からこれを一時的に停止している。(翻訳・編集/北田)
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